Nussoftがおくる3Dオーガニックバレッタアクション・ネオアクアリウムより、
DEKU作曲、『Cambrian Monster』。アノマロカリスのテーマとして流れます。
個人運営のインディーゲームスタジオ・Nussoftの代表作にあたる本作。亜空間転送技術の発展によりいつでもどこでも海中空間を切り取ってアクアリウム化できるようになった近未来を舞台に、転移の影響で急激な環境変化に晒された海洋生物たちは、亜空間に適応すべく解き放った戦闘能力を駆使して戦い合うことになる。水槽のなかでエビやカニをはじめとする甲殻類がレーザーやミサイルを撃ち合う奇天烈なゲーム性が特徴の、シューティング要素ありの対戦アクションである。カニは横歩きのみ、フジツボは自力で動けないが繁殖することで移動できるなど、自機はそれぞれの生態に応じた個性的な性能を持つ。特筆すべきは部位欠損と脱皮システムで、敵の攻撃によって、もしくは自ら遠隔攻撃に応用すべく分離するかして手足を失うと機動力が下がるが、スキル発動に用いるパワーゲージを全消費することで脱皮して元通りになれるというユニークな戦略要素が存在する。絵面はシュールだが題材をうまく調理した独創的な仕上がりとなっている。後にSteamに移植された。
本作の音楽を担当するのはDEKU氏。同人界隈で活躍しているフリーの作曲家で、Nussoft（現カラッパゲームス）製の作品には本作を皮切りに、ACE OF SEAFOODやカニノケンカにも携わっている。本作では硬派なSFの世界観にあわせてテクノやトランス、シンフォニック系など、活きの良い海洋生物の雄姿を彩るスタイリッシュなサウンドが勢揃いしている。サウンドトラックは同人CDとして頒布されたことがあるほか、SteamのDLCとしてデジタル配信されている。
アノマロカリスのテーマとして対戦時に流れるのがこの曲である。カンブリア紀（約5億年前）の海に棲息していた最強最大の捕食者で、すでに絶滅して久しい古代生物である。本作においては、分離可能な射撃部位が多く、それらを用いて密度の濃い弾幕を生成できるキャラとして登場する。激しいギターや主張の強いビート、独特な歪みの効いた電子音が印象的なハードコアテクノで、曲全体を通して非常に好戦的な雰囲気に満ちている。イントロの3秒間や35～38秒など、要所要所でコーラスが入ることで、攻撃的でありながら神秘的でもある不思議な重厚感を生み出す。古代の海の覇者のテーマにふさわしいカリスマ的な力強さを誇る一曲である。
強靭な曲ですね。ちなみにフジツボのテーマも好きです、謎の日本語ボイスが良い味を出してます。『FuJiTuBo』、あわせてどうぞ。
