シフトがおくるパズルゲーム・XI[sai]より、
足立賢明作曲、『Techno Hall (The Theme of XI)』。TRIALモードで流れます。
小悪魔アクイを操り、玉乗りのようにダイス(サイコロ)を転がして消していく本作。地面から次々と湧いてくるダイスを消すべく、盤上の縦あるいは横方向に、サイコロの目の数の分だけ隣接(2の目なら2つ、3の目なら3つ)させるのが本作の基本的なルールで、盤上がダイスで埋もれて手詰まりになるとゲームオーバーになる。黙々とダイスを消し続けるTRIALモードの他、対戦ができるBATTLEモード、大人数で乱闘するWARSモード、詰将棋的な感覚で思考力を試されるPUZZLEモードなど、様々な遊びが搭載されている。後にシリーズ化され、続編のJUMBOともどもゲームアーカイブスで配信されている。
本作の音楽を担当するのは足立賢明氏。XIシリーズ三部作すべてに単独で携わっている作曲家である。氏はJ-POPの楽曲提供やライブサポートなどを幅広く手がけるマルチミュージシャンで、ゲーム音楽の方面では本作を皮切りに、様々な作品で上質なテクノサウンドを書き下ろしている。シンプルながらも奥深いゲーム性に合わせて、本作ではスタイリッシュな背景音楽が揃っていて、トランスやハウスやアンビエントといった浮遊感あふれる楽曲がシンキングタイムを彩ってくれる。サウンドトラックは通常販売のほか各種オンラインストアでデジタル配信もされている。
TRIALモードにおいて流れるこの曲は、括弧書きで (The Theme of XI) とある通り、本作のメインテーマに相当する一曲である。テクノサウンドここに極まれりとも言うべきクールな音使いが特徴で、華美なメロディーラインが存在しないかわりに、均整が取れたリズムとビートで魅せてくれる。ハンドクラップや鋭敏な破裂音がテンポよく挿入されることで、聴く者の集中力を上昇させ、1分11秒あたりで小休止を入れ、1分25秒で解放感あふれる音色とともに再始動すると、ますます昂揚感たっぷりなムードを生み出す。聴けば聴くほど加速度的に感覚が冴え渡っていくような、そんな超常的なノリの良さを誇る一曲である。
紹介しているのはゲーム版ですが、サントラ収録版はちょっとしたイントロが追加されています。イントロありのほうも紹介したいところですが、音源が見つからないので割愛。