マーベラスがおくるシミュレーションRPG・禁忌のマグナより、
森田朋子作曲、『Heldt Tower』。ヘルト政府の塔で流れます。
ルーンファクトリーのスタッフの一部が関わった完全新作として登場した本作。辺境の島で宿屋を営む青年・ルクスは、地震がきっかけで封印から目覚めた精霊の少女・シャルロッテとの出会いを通じて大きな戦いに巻き込まれることになる。個性的なヒロインたちと共同生活を送って親睦を深めつつ、ストーリーに沿って戦闘をこなしていくシミュレーションRPGである。戦闘は主人公+3人という小編成でおこない、フェイズ制ではなく素早さ順に敵味方の行動が回ってくるターン制を採用している。倒さない限り無限に敵を召喚するユニットが存在するほか、敵の体力が多めに設定されている点や、雑魚は倒しても経験値にならない点などから、戦闘はスローテンポで長丁場になりやすい。キャラデザインやモデルは凝っていて、イベントは簡素ながらも7人全員のヒロインに個別エンディングがあるなど、美少女モノらしい恋愛要素を含む内容に仕上がっている。
本作の音楽を担当するのは森田朋子氏。音楽制作会社スタジオカリーブに所属する作曲家である。かつてネバーランドカンパニーに在籍していた経験があり、その頃からルーンファクトリーシリーズに携わっていることで知られる。本作では王道ファンタジーの作風に見合った壮大なオーケストラ調を中心に揃えられていて、戦闘曲は派手で勇壮な曲調、日常系のBGMは明るく長閑な曲調など、オーソドックスなラインナップながらもシーンごとにメリハリのあるサウンドを楽しめる。サウンドトラックは日本国内では未発売だが、北米版の予約特典として同梱されていた。
ヘルト政府の塔で流れるのがこの曲である。物語終盤に訪れる中央政府の塔で、敵の本拠地である。冒頭から管弦楽器とエレキギターの重厚な音色が響き合うことで、瞬く間にクライマックスらしい上質な昂揚感を生む。12秒から主旋律が入ると、そのキャッチーなメロディーラインが力強い情熱を漂わせ、32秒からはエレキギターが主旋律も伴奏も兼任することでいっそう激しさが増していく。52秒からのBメロですこしずつ勢いを溜め、サビを迎える1分10秒以降で勢いを解放すると、オーケストラとエレキギターが迫力満点のアンサンブルを披露して極限まで華やかな盛り上がりを見せる。非常に真っすぐで熱い一曲である。
本拠地に乗り込む感覚がよく伝わってきますね。王道一直線で格好良いです。