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#985 『Enemies-Space-Fortress Attack』(石川隆之/ネビュラスレイ/AC)

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ナムコがおくる縦スクロールシューティング・ネビュラスレイより、

石川隆之作曲、『Enemies-Space-Fortress Attack』。6面で流れます。

上記動画の5:40から7:35まで。

ナムコ製のアーケード用シューティングにあたる本作。武力平定を掲げる制圧軍とそれに対抗する連邦政府の抵抗軍の両軍は、惑星エヴァグレネス上空を起点に複数の惑星をめぐりながら熾烈な戦争を繰り広げることになる。クリア後要素ありの全6面構成で、ショット+ボンバーによるオーソドックスな2Dスタイルのスペースシューティングだが、3Dレンダリングによる立体感のある映像表現と演出が際立っている。敵が固く敵弾が速く、先に進むにつれてさらに弾速が上昇するなど、全体的に厳しめな難易度が特徴で、クラシックなゲーム性ながらもシビアで独創的なセンスを持つ仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはCHARLYこと福澤正洋氏とT. ISHIKAWAこと石川隆之氏。いずれも当時ナムコに所属していた作曲家である。本作では宇宙らしさ満点の壮大で爽快なシンセやフュージョン系のサウンドが勢揃いで、勇ましい曲調から不気味な曲調まで、臨場感のあるメリハリ豊かな展開を楽しめる。サウンドトラックは設定画やライナーノーツ込みで収録されたものが存在する。

最終面であるMISSION-6「MASTER FORTRESS AREA」で流れるのがこの曲である。制圧軍の本拠地である要塞内部に侵入し、決戦に向けて突き進むシーンを、非常に象徴的な高音主体のピアノイントロによって、クライマックスらしい焦燥感を印象付ける。しばらくしてイントロから続くピアノフレーズが一瞬途絶えると、それまでハイハットのみだったのが派手なパーカッション捌きを披露する。主旋律が入ると再度ピアノが加わり、相変わらず無機質な高音を反復しながら、浮遊感あふれるシンセを伴いながら伸び伸びとした曲展開を見せつける。やや落ち着いたミドルテンポながらも独特な疾走感があり、開始から1分半ほど過ぎたあたり(上記動画では7分19秒~22秒)の早送りしたような緩急自在の音使いを筆頭に、目まぐるしく変化する起伏に富んでいる。ラストステージにふさわしい洒落たドライブ感を誇る一曲である。

冷たいピアノからじりじりと昂る流れが心地良いですね。続くラスボス戦のピアノの使い方がまた魅力的で、不穏だけどやる気を駆り立ててくれるような戦闘曲に仕上がってます。『Final-Enemy』は動画の続きからどうぞ。

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