VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#984 『Sevilla』(岩崎琢/大航海時代 Online/PC)

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コーエーがおくるMMORPG大航海時代オンラインより、

岩崎琢作曲、『Sevilla』。セビリアで流れます。

大航海時代を題材とした航海シミュレーションの月額課金制のオンラインゲームにあたる本作。主人公は航海者となり、冒険や交易、戦闘を通じて自由に生きることになる。はじめに所属国をイスパニアポルトガルヴェネツィア・フランス・ネーデルラントイングランドのいずれかのなかから選び、それぞれの国や地域を拠点に陸上ないしは洋上で、未知なる世界を探検したり商売で資金を稼いだり、ときには海賊や他のプレイヤーなどと交戦したりすることもできる。職業、名声、爵位、国際関係など、様々な要素によって取れる行動の選択肢が変わり、国別のシナリオに沿って進めるもよし、広い世界で自分のやりたいことを極めるもよし、MMOながらもマイペースなソロプレイでさくっと幅広い遊びを楽しめる。サービス開始から15年以上続いている長寿作品らしく落ち着いた仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは岩崎琢氏、菅野よう子氏、三宅一徳氏。コーエーテクモ所属の石黒潤也氏、中村新一郎氏、増岡郷太氏も携わっているようである。菅野氏は大航海時代シリーズおなじみの作曲家で、岩崎氏は主にアニメの劇伴などで活躍する作曲家(コーエー製の作品では太閤立志伝IIを担当したことがある)、三宅氏は特撮系を中心にテレビや映画の楽曲提供を手がけている作曲家である。本作ではオーケストラサウンドを軸に、世界各地の風土に合わせたワールドワイドな楽曲が取り揃えられていて、バラエティ豊かな音色で航海を盛り上げてくれる。サウンドトラックは拡張パックに同梱される形で複数種類存在するほか、シリーズ30周年記念の全曲集がHD版4withPKに付属されている。

イスパニア(スペイン)の中心都市・セビリアで流れるのがこの曲である。セビリアジブラルタル海峡に臨む歴史的な湾岸都市で、イスラムとキリスト文化が融合した独特な賑わいを見せる。当時のみならず現在も栄えるスペイン南部の中心地を表現するにあたって、弾けるようなピッコロの音色から始まり、寄せては返す波のようにストリングスの伴奏が寄り添う。11秒から主旋律が入ると、弦と笛の伸び伸びとした合奏が臨場感たっぷりの華やかさを生み出す。38秒で雰囲気がすこし変わり、重厚な管弦楽器のアンサンブルに加えてカスタネットの打音がリズミカルに響き渡ることで、ちょっとしたフラメンコ気分が味わえる。オーソドックスなオーケストラサウンドイスパニアならではの味付けをした活気あふれる一曲に仕上がっている。

聴いていると気分が良くなるような曲ですね。