簗田裕之作曲、3の『Devil Forest』。魔界の森で流れます。
女神転生シリーズのうち、初期の派生作品にあたるラストバイバルシリーズのナンバリング3作目として登場した本作。ブルトン魔法学校で勉強する主人公・シエルは、父の戦友の突然の訃報と、魔法を禁止する条令の発行により、異変が起こりつつある世界で旅立つことになる。前作・前々作同様、仲魔や悪魔合体をはじめとする本家のシステムを一部継承しつつ、全体的にライトでファンタジックなタッチになっている。神話や聖書といったミステリアスな世界観を背景に紡がれるシナリオは、シリーズの集大成にふさわしい濃厚さを誇り、三部作の完結編らしい壮大な仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは簗田裕之氏。1作目から光永巌氏とともにシリーズの曲づくりに携わってきたが、本作では単独で作曲することとなった。前作および前々作がゲームボーイ用のソフトだったのに対し、本作は携帯機ではなく家庭用のスーファミで発売されたため、もともと好評だったサウンドは技術的な面においてさらに進化した。長らくサウンドトラックは販売されていなかったが、しばらく置いてSweepRecordより3作とも待望のサントラ化を果たした。
物語後半に訪れることになる魔界の森で流れるのがこの曲である。曲全体を通して煌びやかなフレーズを反復することで、終始一定のムードを保ち、変わることのない独特な落ち着きと心地良さを感じさせる。アンビエントやニューエイジを彷彿とさせる浮遊感あふれる音色が印象的で、幻想的でありながらもシリアスな空気感を漂わせている。穏やかな、それでいて引き締まった雰囲気のある一曲である。
ヴェイパーウェイブ的ともいえるような、それでいてアングラ感もあるような、不思議な曲ですね。
