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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#252 『15 Years Ago』(小林啓樹/エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー/PS2)

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ナムコがおくる超本格的フライトシューティング・エースコンバットより、

小林啓樹作曲、5の『15 Years Ago』。重要なイベントシーンで流れます。

エスコンシリーズのなかでもとりわけ高い評価を得ているPS2三部作のうち、2作目にあたる本作。15年前に起きた凄惨な戦争を下敷きに語られる、シネマティックで大スケールな空の物語は、リアルな戦争観を描いた前作とは違う意味で魅せてくれる。ボリュームはシリーズ屈指の大盤振る舞いで、ミッション数はもちろん、登場する機体もその他のやりこみ要素も非常に充実している。続編のゼロでは、本作の前日譚、つまり15年前のベルカ戦争を題材としている。

本作の音楽を担当するのはエスコンおなじみの顔ぶれである大久保博氏、小林啓樹氏、中西哲一氏に加え、中鶴潤一氏も参加している。中鶴氏はシリーズには初参加だが、本作以降のシリーズでは欠かさず作曲に携わっている。前作で築き上げたエレキギターによるロックサウンドとコーラスなどを取り入れたオーケストラサウンドの両方の路線を継承しつつ、本作ではサウンドトラックにして4枚組にあたるシリーズ最多の収録曲を誇る。主題歌にアメリカのロックバンドPuddle of Muddを起用するなど、発売当時は各方面で話題を呼んだ。

15年前の惨禍の爪痕が色濃く残る世界にて、いくつかのイベントシーンで流れるのがこの曲である。とりわけ名曲『The Unsung War』が直後に控えるラストミッションでのシチュエーションは、仲間の無線を通じて語られる新たなる朝の始まりの情景と相まって、鮮烈に記憶に刻まれる。ピアノの音色で奏でられる素朴なメロディーは、優しく付き添うストリングスの伴奏とともに、静かなる闘志を掻き立てる。終戦へと導くための最後の夜間飛行にふさわしい、切なくも勇ましい一曲である。

この曲から『The Unsung War』へと切り替わるところが味噌、と言いますか……『The Unsung War』単体で聴くより、この曲の後に聴くと美しさに磨きがかかる気がします。相乗効果でしょうか。いつか個別記事で紹介できたら良いですが、とりあえずここにも載せておきましょう。

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