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#735 『天空の塔』(飯吉新・石綱淳泰/ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊/NDS)

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株ポケとチュンソフトがおくるダンジョンRPGポケモン不思議のダンジョンより、

飯吉新・石綱淳泰作曲、青の救助隊(DS版)の『天空の塔』。

同名のダンジョンで流れます。

ポケモン不思議のダンジョンのコラボ作品として登場した本作。それまで人間だったのに、ある日突然ポケモンになってしまった主人公は、ポケモンだけが暮らす世界で困っている住民を助けるべく、偶然出会ったパートナーと一緒に救助隊を結成することになる。基本的な流れとしては、依頼を受け、自動生成されるローグライクのダンジョンを攻略していき、ポケモンならではの要素としてわざやとくせいを駆使しながら依頼達成を目指して進んでいく。ルビー・サファイアまでの386種類のポケモンすべてを仲間にできる豊富なボリュームと、ポケモンたちが織り成す、ときにコミカルでときにシリアスな壮大な冒険譚が特徴で、内容は概ね共通しているが、バージョン別でGBA(赤)とDS(青)のマルチプラットフォームに対応している。

本作の音楽を担当するのは飯吉新氏と石綱淳泰氏。いずれも当時、音楽制作会社ミューズリンクスに所属していた作曲家である。このうち飯吉氏は次作の探検隊でも引き続き作曲に参加することになる。本作ではコメディタッチな日常とスリリングな冒険の双方のバランスを活かしたメリハリ豊かな楽曲が揃っている。また、GBAとDSでそれぞれ音源が異なり、ハードごとの特色を感じさせる音色づくりを徹底している。サウンドトラックは未発売だが、一部の楽曲は後発の作品のジュークボックス(サウンドテスト)にも収録されていることなどから曲名が判明している。

本作のラストダンジョンである天空の塔(てんくうのとう)で流れるのがこの曲である。オルゴールらしき音色によるイントロから始まり、幻想的なコーラスを伴って展開していく旋律は、まさにクライマックスにふさわしい神秘的な緊張感を漂わせる。鐘の音やトライアングルといった金属音も交えながら、緻密に、それでいて大胆にメロディーラインを紡いでいき、2分を過ぎたあたりでフルートに見せ場を与えることで、さらにドラマチックな緩急をつける。冒険心を煽る曲調と相まって、頂を目指して着実に歩みを進める感覚を没入感たっぷりに彩ってくれる一曲である。なお、上記のDS版ではパーカッションが軽めで透明感のある高音が響きやすいが、GBA版は相対的にパーカッションが重め、神聖さよりも重厚さに力点を置いた仕上がりとなっている。

救助隊DXの発売に先んじて。今回はDS版の紹介でしたが、GBA版もとても素敵で、DS音源と比べてかなり再現性が高く、加えてGBA特有の素朴な魅力も引き出している逸品です。あわせてどうぞ。

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※追記 サントラ等が存在しなかったため、正式曲名不明としてきましたが、公式の発売記念キャンペーンにて抽選で配布されたオリジナルレコードに収録されていることを確認したため、曲名を確定しました。