ゲームフリークがおくるソリティア競馬ゲーム・ソリティ馬から、
一之瀬剛作曲、『Jazz Racing Jam』。3歳馬のG1レースで流れます。
ポケモンで知られるゲームフリークが開発した、ソリティアと競馬を組み合わせたダウンロード専用タイトルとして登場した本作。新米騎手の主人公は、特殊な経緯からカードゲームのソリティアをプレイすることで馬の機嫌をとったり気合いを引き出したりする力を手に入れ、これを駆使して競馬の頂点を目指すことになる。基本的なルールはソリティア(いわゆるゴルフ)準拠だが、ときには競馬ゲームらしくレース中の位置取りを意識して馬を操る必要があるほか、牡馬と牝馬を掛け合わせて強い血統の新馬を育成する要素も含まれる。直感的でシンプルな操作に丁寧な用語説明なども相まって、競馬に馴染みがなくても楽しめるような異色の仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは一之瀬剛氏。ゲームフリークに所属する作曲家で、競馬好きが高じて本作のゲームデザイナーも務めている。本作では可愛らしいグラフィックにあわせて、親しみやすいポップで軽快なサウンドが揃っていて、ジャズやファンクなど尖ったアプローチのものもすくなくない。また、馬の機嫌が悪いと音がこもるような仕掛けを用意しているなど、臨機応変なギミックが用意されている。サウンドトラックは公式大会の景品として配布されたほか、オンラインストア限定で市販されている。
3歳馬のG1レースで流れるのがこの曲である。古馬になる前の3歳という時期、重賞のなかでも最も上位のG1という大舞台を、曲名にもある通りジャズで華麗に彩る。ソリティアと競馬というそもそものコンセプトからして異色、さらにそこにジャズを掛け合わせることで、作風によく似合う独特な中毒性を誇る。出だしから最高潮の盛り上がりを見せ、小気味良いブラスの旋律、お洒落に絡み合う陽気なピアノの伴奏がレース中の気分を高める。ループ直前にパーカッションのみのパートがあり、パカパカと競走馬たちが颯爽と駆け抜けていくさまを彷彿させる。中弛みすることのない昂揚感に満ちた一曲である。
1分4秒あたりのブラス音の止む間奏部分、いかにもなポケモンの街曲にありそうな雰囲気が漂っていますよね。