高橋コウタ作曲、R4の『REVLIMIT FUNK』。レース中のBGMの一つ。
ダイナミックなドリフト走行による豪快さが魅力のリッジレーサーシリーズのうち、家庭用機で展開する作品群の4作目として登場した本作。現実離れしつつもクールさが光るマシンの挙動、直感的で爽快な操作性はそのままに、本作では特に陰影に富んだグラフィックやハイセンスなインターフェースが特徴である。難易度別に4社と契約して大会を勝ち抜くグランプリモードでは、秀逸な世界観に見合ったディープなシナリオが用意されていて、洒落た演出と相まってスタイリッシュな仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは大久保博氏、境亜寿香氏、高橋コウタ氏、中川浩二氏、中西哲一氏の五名。このうち大久保氏と中西氏はレイジレーサーから引き続きの参加だが、残りの三人はシリーズ初参戦である。本作ではそのアヴァンギャルドな作風にあわせて、ハウスやドラムンベースといったジャンルを中心に、扇情的なドライブ感覚を味わえるドラマチックな楽曲が多く揃っている。サウンドトラックはオリジナル音源のもののほか、20周年を記念してリマスターし、新規リミックスも収録した完全記念盤も発売されている。
10曲以上用意されているレースBGMのうち、とりわけダークな雰囲気を漂わせるのがこの曲である。同じく高橋氏が作曲した人気曲『NAKED GLOW』や『MOVE ME』にみられる爽やかな曲調とは一線を画するヘビーさが特徴で、さながら音が切れてしまっているかのごとく響くイントロから始まり、ジャズコードを交えながらうねるようなグルーヴを生み出す。エレキギターの傍若無人なメロディーに、けたたましいシンセやサイレンを彷彿させる怪しげなノイズを組み合わせることで、運転中の緊張感と焦燥感を高めてくれる。レース体験を熾烈かつ没入感たっぷりに盛り上げてくれる一曲である。
『NAKED GLOW』と『MOVE ME』もあわせてどうぞ。