ガストがおくるヒロイックRPG・ブルーリフレクションより、
浅野隼人作曲、『こすいちのかくすらなきくどっとえぐぜ』。
後半の通常戦闘曲として流れます。
アトリエシリーズで知られるガストの完全新作として登場した本作。星ノ宮女子高等学校を舞台に、バレリーナとして将来を有望視されていたにも関わらず怪我で夢破れた少女・日菜子は、不思議な姉妹・夕月と来夢との出会いを通じて、魔法少女・リフレクターに変身する力を手に入れ、現実世界と異世界を行き来しながら青春を駆け抜けていくことになる。学園生活と異世界の両方を軸に、悩める女子高生たちの瑞々しい人間模様を描いた繊細なシナリオが特徴である。戦闘システムはオーソドックスなコマンド制ながらも、回復や防御のリソースとなるエーテルの扱いが肝で、複数行動が可能となるオーバードライブといった要素が含まれている。現代日本を舞台にした美少女+学園モノらしく綺麗にまとまった仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは浅野隼人氏。当時ガストに所属していた、現在はフリーランスの作曲家で、本作は退社前の最後の担当作である。複数の作曲家を起用することの多いガスト作品にしては珍しく、本作では氏が単独で、歌もの以外のすべての楽曲を作曲している。本作ではピアノ、バイオリン、チェロを主軸に据えた、青春の眩しさをそのまま表現した上品なサウンドが揃っているが、なかにはドラムンベース系の激しい曲も含まれる。サウンドトラックは限定盤に付属されていて、主題歌やそのオフボーカル版、未使用曲も含めて網羅的に収録されている。
通常戦闘のうち、物語後半で流れるのがこの曲である。前半の通常戦闘曲『OVERDOSE』と同様、クラシカルな楽器を取り入れたドラムンベースで、イントロや随所で繰り返されるノイズに近いエレクトロニックな音色が、勢いよく疾駆する曲調に鮮やかな興を添える。30秒頃からようやく主旋律が本格始動すると、その激しくも華やかで、透明感のある音色によって、どんな逆境に立たされても必ず突破口を切り拓けると確信させるような力強さを感じさせる。一際目を引く曲名ともども、一度見聞きしたら忘れられないほどの鮮烈さを放つ一曲である。
一度見聞きしたら、というより、どっとえぐぜ=.exeなので、一度展開したら、でしょうか。この曲含めいくつかの曲は公式サイトからダウンロードできます。『OVERDOSE』もあわせてどうぞ。