Tequila Worksがおくるパズルアドベンチャー・RiMEより、
Lindsey Stirling作曲、『Forgotten City』。エンディングで流れます。
スペインのインディーゲームースタジオ・Tequila Worksが開発した本作。嵐に見舞われて無人島に漂流した主人公の少年は、島の中心に聳え立つ塔の頂上を目指して、キツネの助けを借りながら冒険することになる。光と影、音や時間をテーマとした種々様々なギミックが用意されていて、少年が掛け声をあげることで作動する仕掛けなども存在する。さながら絵画のような没入感たっぷりなグラフィックが特徴で、戦闘やテキストの類がほとんどない純粋なパズルゲーム(一部アクション要素あり)である。野生動物との触れ合いや謎に満ちた遺跡の探索など、洗練された雰囲気が味わえる仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはDavid García Díaz氏とLindsey Sitrling氏。このうちStirling氏は1曲のみの参加で、他はすべてGarcía Díaz氏が担当している。García Díaz氏はスペイン出身でイギリス在住の作曲家で、Tequila Works製の作品には本作以前にもDeadlightを手がけた経験がある。対するStirling氏は主にYouTubeでバイオリニストとして活躍しているアメリカ出身のアーティストで、コスプレをして演奏する曲の世界に入り込み、踊りながらバイオリンを弾くという独特なスタイルで知られる。本作の音楽はオーケストラが主体となっていて、いずれもエモーショナルな作風に寄り添った情緒的な仕上がりとなっている。サウンドトラックはGarcía Díaz氏の担当分を収録したものが発売されている。
エンディングで流れるのがこの曲である。柔らかなオルゴールのイントロから始まり、バイオリンのゆったりとした扇情的な音色が加わることで、徐々に盛り上がりを見せていく。人跡未踏の無人島に息づく大自然を思わせる、情緒豊かで温かみのある音使いは、サビでコーラスを組み合わせることで、さらに一段とその美しさと儚さに磨きをかける。メリハリのある演奏の果てに、アウトロではイントロと同じオルゴールで締めくくることで有終の美を飾る。心に残るような余韻をもたらす一曲である。
公式トレーラーでも使われた曲で、動画のなかでコスプレして演奏しているのが作曲家本人です。ミュージックビデオ単品として捉えてもなかなか見応えがありますね。