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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#233 『Let's Dance, Boys!』(山口裕史/ベヨネッタ/X360・PS3)

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プラチナゲームスがおくる∞クライマックスアクション・ベヨネッタより、

山口裕史作曲、『Let's Dance, Boys!』。エンディングの曲。

デビルメイクライシリーズで知られる神谷英樹氏が手がける新作アクションとして登場した本作。天使や悪魔が蔓延るヨーロッパを舞台に、記憶喪失の魔女・ベヨネッタは、記憶の手がかりを探すべく、襲い来る天使たちを片っ端からぶっ飛ばしていく。派手なアクション、妖艶なキャラクターデザイン、センスあふれるダイナミックな演出の数々が特徴で、クライマックスアクションというジャンルが示す通り、常にクライマックスであるかのような絶頂の盛り上がりのなかで物語が繰り広げられる。戦闘では、リアルタイムで即時に切り替え可能な武器や、タイミングよく敵の攻撃を回避することで発動できる無敵時間・ウィッチタイムを駆使しながらスタイリッシュに攻略していく。題材の重さに反してノリは軽快で、華麗な爽快感に満ちた仕上がりとなっている。後にWiiU、スイッチ、PCに移植された。

本作の音楽を担当するのは泉谷隆洋氏、上田雅美氏、川口博史氏、近藤嶺氏、鈴木克崇氏、袖岡隆泰氏、田中直人氏、丹羽映里納氏、日比野則彦氏、福山光晴氏、山口裕史氏。上田氏、袖岡氏、田中氏、丹羽氏、山口氏はプラチナゲームス、川口氏と福山氏は発売元のセガ、近藤氏は音楽制作会社T's MUSIC、泉谷氏、鈴木氏、日比野氏は音楽制作会社GEM Impact所属の作曲家である。本作では洋画仕立ての作風にあわせて、劇伴風のダイナミックな楽曲が勢揃いしているほか、ジャズの名曲のアレンジや、セガの往年の名作からのアレンジも多数収録されている。サウンドトラックは未使用曲やプロトタイプも含めて5枚組で発売されている。

本作のエンディングで流れるのがこの曲である。スタッフロールの間はもちろんのこと、その後におまけとして挿入されるムービーでも流れ、ベヨネッタの大胆で熾烈で官能的なダンスとともに否が応でも記憶に残る。クールなピアノ、艶やかなコーラス、日頃の鬱憤を吹き飛ばすような晴れやかで麗らかなサクソフォンによって奏でられる本格的なダンスミュージックは、中弛みすることなく最初から最後までクライマックスを貫き通す。ミュージックビデオとしての完成度の高さも相まって、本作を代表する一曲である。

どうでもいいことですが個人的にベヨネッタはショートヘアのほうが好みです。