コナミがおくるアクションアドベンチャー・がんばれゴエモンより、
市橋康弘作曲、東海道中の『冬』(仮称)。冬の道中BGM。
義賊のゴエモンを主人公にしたがんばれゴエモンシリーズのうち、現時点でシリーズ最終作にあたる本作。東海道五十三次を舞台に、身に覚えのない悪事を巡って、ゴエモン一行は真犯人を捕まえる旅に出ることになる。キャラクターを切り替えながら専用アクションを駆使してクォータービュー視点のステージを攻略していくことになり、ハードの特性を活かして、DSならではのタッチペン操作も充実している。ネタ満載のコミカルな作風はそのままに、和の世界観を重んじてグラフィックは温かみのある毛筆調で統一されていて、シリーズの魅力がたっぷり詰まった仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは市橋康弘氏。当時コナミに所属していた作曲家である。ゴエモンシリーズは作曲家の入れ替わりが頻繁におこなわれることから、氏も本作がシリーズ初参戦である。本作ではシリーズの集大成と言わんばかりに過去作からのアレンジ曲が多く収録されていて、往年のファンにとっても納得の選曲となっている。また、新曲もそこそこ書き下ろされていて、オリジナルの道中BGMをはじめ、過去の名曲に引けを取らないクオリティを誇る。サウンドトラックは残念ながら未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
春夏秋冬のうち、最後の季節である冬の道中で流れるのがこの曲である。物語もいよいよ大詰め、クライマックスに向けてずんずん進んでいくシチュエーションにふさわしく、和楽器の雅やかな協演が気分を盛り上げてくれる。玉のように美しい尺八の旋律と、風のように心地良い三味線の伴奏とが組み合わさることで、張り詰めたような凛冽な空気感を漂わせる一方で、その明るく前向きな曲調が、寒さをも吹き飛ばしてどこまでも突っ走りたくなる情熱的な衝動を生み出す。和風であり、冬っぽくもあり、何よりゴエモンらしさに満ちた一曲である。
春夏秋冬どれもいいんですよね。特に秋と冬はすごく好みです。秋もあわせてどうぞ。