コナミがおくるプロ野球ゲーム・実況パワフルプロ野球より、
佐藤直之・渋谷郁夫作曲、7の『セレクトBGM1』。モードセレクト画面で流れます。
プロ野球を題材とするパワプロシリーズのうち、ナンバリング7作目にしてPS2進出作にあたる本作。駆け出しのプロ野球選手として実在の12球団のいずれかに所属し、二軍からスタートしてレギュラー入りを目指すことになる。ニンテンドウ64から代わってシリーズ初のPS2作品となったことで、グラフィックの3D化、キャラデザインの調整、オープニングムービーの表現力の向上など、ビジュアル面で発展を遂げた。サクセスモードでは上述の通りプロ生活を描いていて、大まかな流れこそ共通しているが、球団ごとに個性豊かなキャラやイベントが用意されている。また、姫野カレン（威圧的な体格とロリータファッションが特徴のイロモノヒロインで、主人公に猛アタックしてくる）をはじめとする、後の作品でたびたび出現する名物キャラが初登場した。そのほか、対戦モード、ペナントモード、アレンジモード（好きな選手を集めて球団編成する）などのおなじみの遊びが揃っている。ハードの移行に伴う変革や新たな定番要素が取り入れられた仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは佐藤直之氏と渋谷郁夫氏。スタッフロールではサウンドお手伝いという肩書で砂子純子氏の名前も確認できる。いずれもコナミ所属の作曲家である。前作から作曲陣が一新されていて、本作以降、佐藤氏はパワプロ・パワポケ両シリーズに、渋谷氏は主にパワプロシリーズに、砂子氏はパワポケシリーズに携わることになる。本作ではシンセやラッパの華やかな音色を駆使した明るめな楽曲を中心に揃えられていて、サクセスモードの春夏秋冬BGMではすこしゆとりのあるサウンドを楽しむことができる。サウンドトラックは本作単体では未発売だが、他のシリーズ作品とともにパワプロ音楽館3のなかに本作の楽曲が収録されている。
モードセレクト画面で流れるのがこの曲である。タイトル画面の次に現れるメインメニューのことで、数あるモードのなかから好きな遊びを選ぶことになる。そうしたなか、出だしから気合十分で弾けるような勢いでイントロを奏でることで、遊びたい気持ちを促進してくれるエネルギッシュな印象を与える。元気よく鳴り渡る前向きな主旋律に、目立ちすぎない程度に主調するベースラインと、3～7秒や10～14秒などで聴こえるシンセベル系の可愛らしい音色が寄り添うことで、とても楽しくて喜びに満ちた響きを生み出す。28秒からはハーモニカを彷彿させる音色がメインメロディーに加わり、明るい調子で高らかに旋律を紡いでいく。その後、45秒でイントロと似たフレーズを奏でるようになり、念入りに反復したうえで、ちょうど1分でループに至る。気持ち良くパワプロの世界に飛び込ませてくれるような一曲である。
この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。遊ぶ楽しさ、遊び始める前に選ぶ楽しさが、曲のなかに詰まってる感じですね。
