コナミがおくる野球ゲーム・実況パワフルプロ野球より、
実況パワフルプロ野球サウンドチーム作曲、アプリの『鳴響のキズナ』。
甲子園大会のブラスバンド応援曲として流れます。
プロ野球を題材とするパワプロシリーズのうち、基本プレイ無料・アイテム課金制の作品として登場した本作。パワフル高校や瞬鋭高校、鳴響高校など、様々な高校の野球部を舞台に、選手を育成し、高校生活を満喫しつつ、夢の甲子園を目指すことになる。物語に沿って進める恒例のサクセスモードが、アプリになっても十分に遊べる点が特徴で、継続的なアップデートやコラボにより多彩な背景や特色を持つ高校が続々実装されている。アプリらしくプレイ時に時間経過で回復するポイントを消費するほか、ガチャで入手したキャラをデッキに入れてイベントや試合を楽しむ要素が含まれる。試合の操作は、打撃なら打ち方（ミート・強振・バンド）を選んで球の位置とタイミングを見定めてタップすることで、投球なら球種や投げる場所を決めて投球ゲージを適切なところでタップで止めることでおこない、状況に応じて自動操作も交えて進行する。サクセスで育成した選手を全国のユーザーと競わせるスタジアムモードがあるほか、お題を達成して報酬をゲットするチャレンジや、すごろく風のマップでマスごとに育成・強化・選手スカウトなどをこなしつつ攻略するパワクエなども存在する。長続きしている作品らしく要素が盛りだくさんな仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは実況パワフルプロ野球サウンドチーム。具体的な人員や編成はあまり明らかになっていないが、シリーズ担当歴の長い渡邊紀如氏や、主にパワプロ2018以降でシリーズサウンドの一翼を担っている米須優太郎氏らが関わっているようである。本作では多数の高校が登場し、それぞれの校風や個性を反映した楽曲が用意されている。全体としてはポップで耳馴染みしやすい路線を維持しつつ、ギターの効いたハードな楽曲から、オーケストラを用いたサスペンス風やゴシック風の楽曲、笛やバグパイプが映えるケルト風の楽曲まで、実にバラエティ豊かなサウンドが揃っている。サウンドトラックについては、シリーズ25周年記念盤として歌モノをまとめたVOCAL TRACKSのなかに、ボーナスディスクとして本作の楽曲群が収録されている。
2017年8月に実装された鳴響高校に伝わる重要な曲として、作中では甲子園大会などのブラスバンド応援で流れるのがこの曲である。鳴響高校は吹奏楽の名門で、かつて野球部が甲子園に出場した折には吹部の応援が快進撃を後押ししたが、時が経つにつれて野球部が輝きを失ってしまったという設定を持つ。この曲は物語上の鍵を握る曲であると同時に、サクセスで流れる鳴響のテーマ『鳴響高校メイン』のアレンジでもある。明るく勇ましく美しく響く管楽器の音色と、力強く活を入れる掛け声が魅力的で、双方が組み合わさることで試合の臨場感と一体感を余すことなく表現している。クラリネットやユーフォニアムなどが形作る聴きやすくて奥深い響きのなかに、10～13秒頃などでみられる高音域のトリル（ピッコロやフルートといった高音パートを担う木管楽器によるもの）を交じえることで、華やかで気持ち良い印象がうまく融け込んでいる。勝利を呼び込む効果が期待できそうな一曲である。
この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。原曲も吹奏楽器をふんだんに使った素敵な曲で、それを応援用に勇壮さをパワーアップさせた感じですね。原曲もあわせてどうぞ。
