CygamesがおくるアニメRPG・プリンセスコネクトより、
西村真吾作曲、Rの『氷と雪の世界』。フリガ雪原で流れます。
サイバーエージェントとCygamesの共同開発作品としてブラウザに登場したプリンセスコネクトの続編にあたる本作。獣人、エルフ、魔族、人間が暮らすアストライア大陸を舞台に、前作の死闘で記憶を失った主人公は、ガイドを名乗る少女に連れられて冒険するうち、再び芽生える絆と渦巻く陰謀に巻き込まれていくことになる。個性豊かなヒロインたちが紡ぐフルボイスシナリオは健在で、前作のキャラに加えて新キャラも多く追加されている。充実したムービーシーンや絆に重きを置いた重厚なストーリーと相まって、ジャンル名に違わずアニメを鑑賞する気分で楽しめる仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは音楽制作会社イマジン所属の田中公平氏をはじめ、同じくイマジンの石塚玲依氏、江原大介氏、サワグチカズヒコ氏、多田彰文氏、西村真吾氏、東大路憲太氏ら、Cygamesの垣内隆太氏、庄司真吾氏、白井友規氏、中村早織氏、本田晃弘氏ら、音楽制作会社TRYTONELABOのLucas氏、TAKT氏、池田健仁氏、内海孝彰氏ら、フリーランスの伊藤翼氏、武田城以氏、西木康智氏ら、総勢20名を超える作曲家たちである。このうち本田氏がサウンドプロデューサーを務めていて、曰く本作はボリュームのある作品だからこそ大人数で作曲して曲の雰囲気が被るのを避けているとのことである。ほぼすべての楽器を生で録音した豪華なオーケストラサウンドが特徴で、インストのものに加えてキャラクターソングも豊富に用意されている。サウンドトラックは現在VOL.6までのオリジナルサントラと、各種ボーカルアルバムが発売されている。
2018年3月のアップデートで追加された9番目のメインクエストエリア「フリガ雪原」で流れるのがこの曲である。見渡す限り雪に埋もれた銀世界を彩るにあたって、幾重にも弦楽器を重ねることで優雅なクラシック調の室内楽に仕上がっている。重々しくも温かく響き渡るチェロの低音に、どこか凛冽な印象を与えるコーラスやオルゴールが加わると、雪国ならではの凍てつくような冷たさと、耐え難く郷愁を誘う切なさとが混じり合って、情緒豊かなアンサンブルを生み出す。氷と雪の奥ゆかしい魅力を表現した一曲である。
こうしてあらためて列挙すると作曲陣は随分な大所帯ですが、それでいて調和がとれているのが見事です。