ネクステックがおくるコミュニケーションRPG・シャイニングソウルより、
保本真吾作曲、『タイトル』(仮称)。タイトル画面で流れます。
シャイニングフォースの系譜を継ぐアクションRPGとして登場した本作。世界を焼き尽くさんとするダークドラゴンを打倒すべく、主人公は光の勇者となって未知のダンジョンを攻略することになる。戦士、魔法使い、アーチャー、狂戦士の四種類の職業から一つを選択し、リアルタイムでフィールドやダンジョンを探索していく、いわゆるディアブロ系のオーソドックスなゲーム性が特徴である。当時としては画期的だったマルチプレイも充実していて、通信ケーブルで繋いで最大4人で冒険に出かけることができる。システムも物語もかなりシンプルで、複雑な要素を省いた質素で手堅い仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは保本真吾氏。当時グラスホッパー・マニファクチュアに所属していた作曲家で、開発・発売元とは異なるが、サウンド制作のみ外注という形で携わっている(なお、次作では開発一式がGHMに移り、作曲は氏に代わり高田雅史氏が担当している)。本作では街曲はのどかで、ダンジョン曲は怪しげで、戦闘曲は厳かで、という王道ファンタジーの定石を踏んだ楽曲が揃っている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
タイトル画面で流れるのがこの曲である。本作のタイトル画面は、淡い黄金色の夕焼け空を背景にタイトルロゴが表示される、ごく簡素なつくりだが、その素朴さゆえに一際印象的に楽曲が響き渡る。ゆったりと勇ましい曲調から始まり、ドラムもそれに伴って落ち着いたビートを奏でるが、33秒からは間隔を狭めた四つ打ちに切り替わり、高音主体のサビと対を成すように低音のチップチューンが伴奏を牽引する。1分15秒からの間奏でも電子音がよく映え、続く1分23秒ではさながらブザーのように同じ音程でリズムを刻むことで、耳に残り続ける余韻を生み出す。伝説の始まりを予感させるのに十分な迫力を備えた一曲である。
ゲーム開始早々、痺れる格好良さです。タイトル画面の曲という括りでは個人的に最強格の一つだと思っています。