「機動戦士ガンダム」を原作とする、
バンダイがおくるシミュレーション・SDガンダムGGENERATIONより、
浅井真・大熊謙一・福森秀敏作曲、Fの『その名はマフティー・ナビーユ・エリン』。
閃光のハサウェイ編におけるマフティーサイドの戦闘デモなどで流れます。
数あるガンダムのゲーム化タイトルのうち、スーパーデフォルメをしたSD作品群のなかのウォーシミュレーション・Gジェネシリーズの3作目(携帯機も含めると通算4作目)にあたる本作。ガンダムの世界を追体験できる、38の登場作品、22のシナリオ、1000を超える総ユニット数から成る特大ボリュームが特徴で、小説原作の「閃光のハサウェイ」や漫画原作の「クロスボーン・ガンダム」など、映像作品以外のものも多数収録されている。前作のZEROとは異なり、メインとなるマルチシチュエーションモードでは好きな順番でシナリオを選択して進められるようになったほか、ムービーや戦闘の演出が全般的に強化された。圧倒的な物量もさることながら、個々の再現性も高水準にまとまった仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは浅井真氏、故・大熊謙一氏、福森秀敏氏。いずれも当時、音楽制作会社ツーファイブに所属していた作曲家たちである。Gジェネシリーズでは前作のZERO以降、ツーファイブが音楽まわり担当することが多く、なかでも浅井氏は前作に引き続きの参加である。本作では映像作品由来の音楽(版権もの)も多いが、非映像作品用に新規に書き下ろされたオリジナル曲もかなり充実している。サウンドトラックは未発売だが、一部の楽曲は後のシリーズや関連作品にも収録されている。
閃光のハサウェイ、反地球連邦組織として暗躍する「正当な預言者の王」ことマフティー・ナビーユ・エリン(組織名にして指導者の名前)の戦いを描くシナリオのうち、マフティー側の戦闘デモなどで流れるのがこの曲である。イントロからして重量感たっぷりに響く旋律が印象的で、使命感と悲愴感とが絡み合いながら力強く曲が展開していく。電子オルガンとオーケストラヒットと思しき組み合わせに、伴奏として今にも張り裂けそうなストリングスの音色が加わることで、音の隅々からひしひしと戦闘の緊張が伝わってくる。破滅的とすら言える重厚な疾走感を漂わせる一曲である。
この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。VSシリーズやスパロボVでもアレンジに恵まれていて、ハサウェイと言えばこれ、という代表曲的な立場と言えるかも。実際、戦闘デモ以外にもシナリオセレクト時や各種イベントでも流れます。ストリングス重視の編曲で持ち前の悲愴感に磨きがかかったスパロボVの音源もあわせてどうぞ。