鶴山尚史作曲、『黄昏の大地』。エルフェテイルのフィールド曲として流れます。
スーパーロボット大戦シリーズのうち、オリジナルキャラが集うOGの派生作品としてモノリスソフトが開発を手がけた本作。次元の壁を挟んで幾多の世界が隣り合うエンドレス・フロンティアを舞台に、賞金稼ぎのハーケン・ブロウニングは、地上戦艦ツァイト・クロコディールを駆って仲間たちと世界を渡り歩くことになる。いつものシミュレーションRPGではなく純粋なRPGだが、おなじみの派手な戦闘アニメやカットイン演出は健在で、戦闘システムはターン制ながらもタイミングよくボタンを押下してコンボを繋げる、アクションないしは格ゲー的な要素のある仕様である。曲者揃いのキャラが織り成す、色気とギャグとパロディ満載の掛け合いが最大の特徴で、独特な軽妙さを誇る仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは鶴山尚史氏、花岡拓也氏、松島加代子氏の三名。いずれも音楽制作会社サラマンダー・ファクトリーに所属する作曲家で、スパロボシリーズにはムゲフロやOGに限らず幅広く携わっている。本作では過去作からのアレンジが多く、ゲストキャラの参戦に伴って同じくモノリスソフト製のナムカプのアレンジ曲なども存在する。一方でオリジナル曲も充実していて、機械工学が発達した世界から純和風の世界、天空の世界まで、個性豊かな異世界を彩る情熱的な楽曲が揃っている。サウンドトラックは続編のEXCEEDの限定盤に本作の楽曲も含む形で同梱されている。
エルフェテイル、妖精や獣人たちが住まう魔法文明で、一際ファンタジー色の強いこの世界のフィールドで流れるのがこの曲である。地続きで隣接する砂漠・デューネポリス周辺でも流れ、過去に起きた戦争の爪痕が残るこの一帯を、静かな力強さに満ちたギターサウンドが鮮やかに彩る。はじめは哀愁の色合いが濃いが、30秒を過ぎたあたりからギターの重厚感が増し、間奏を挟んで53秒頃からストリングスが徐々にテンションを高めると、続いて奏でられるサビは、悲しみよりも決意にあふれた勇ましい響きを有するようになる。ひとたびギターの華やかな和音が途絶えると、ループして静やかな曲調へと戻り、すこしずつ情熱を蓄えながら再始動する。
エレキギター特有の痺れるような格好良さと泣きとが両立したような一曲ですね。ギターのことばかり述べていますが、他の音色もよく調和していて素敵です。