任天堂とエヌディーキューブがおくるテーブルゲーム集・アソビ大全より、
会田敏樹作曲、51の『フィッシング』(仮称)。フィッシングで流れます。
古今東西のテーブルゲームを収録したアソビ大全シリーズのスイッチ版として登場した本作。スイッチを盤に見立て、チェスや花札などの定番から、マンカラやキャロムのような変わり種まで、計51種類のテーブルゲーム(+おまけのピアノ)を楽しめる。一つ一つのアソビは、ルール説明やUIの分かりやすさも含めてシンプルにまとめられている。ローカル通信で複数のスイッチ本体を並べて繋ぎ合わせることで、連結されたスクリーンを一つの大きな画面として扱い、長い鍵盤でピアノを弾くなどといった遊び方もできる。オンラインにも対応していて、シリーズおなじみの多種多彩なゲーム性にスイッチならではの特性が融合した仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは会田敏樹氏。主にJ-POPやCMなどの作編曲で活躍している音楽家で、ゲーム音楽方面では同じく任天堂とエヌディーキューブ製のWii Partyなどを手がけた経験がある。本作ではアソビを彩るイージーリスニングやエレクトロニカ調のサウンドが揃っていて、基本的には穏やかだが、ものによっては賑やかな曲調のものもある。サウンドトラックは現時点では未発売のため、便宜上の仮称とする。
フィッシングで流れるのがこの曲である。フィッシングはJoy-Conを釣り竿に見立てて川釣りを楽しむ、テーブルゲームではないがバラエティというジャンルで収録されているアソビで、魚影こそ視覚的に分かりやすいよう強調されているが、映像はリアル志向で、複数の本体を繋ぎ合わせれば海や滝などの地形でも釣れる。釣った魚の重量を競うというルールは存在するが、特に激しく争うような内容でもないため、曲もとても静かで、大きな盛り上がりを見せぬまま、ただ淡々とギターとシンセ、ときどき鉄琴らしき音色の和やかなアンサンブルが紡がれる。雑念を振り払い、心を無にして魚と向き合えるような気持ちにしてくれる一曲である。
ノリノリな曲が多めだったDSのだれでもアソビ大全と比べて、本作は全体的に主張しない曲が大半ですね。この曲に関しては、効果音として水の音や鳥の鳴き声とかも聴こえてきて、曲がおとなしいからこそ自然音が映える気がします。