VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#939 『Deja Vu』(細井聡司/ソニックウイングス3/AC)

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ビデオシステムがおくる縦スクロールシューティング・ソニックウイングスより、

細井聡司作曲、3の『Deja Vu』。ラスボス戦で流れます。

ハイテンポなゲーム性と個性的なキャラが魅力のソニックウイングスシリーズの3作目にあたる本作。突如として世界各地で同時に発生した敵襲に立ち向かうべく、国籍も職業も種族さえも異なる音速のファイターたちがレシプロ機を駆って戦うことになる。前作同様、キャラはサイボーグやアイドル、関西弁を話すイルカといった濃い布陣が揃っていて、元々マルチエンディング制だったが、本作から結末の変化だけでなく直接プレイに影響するルート分岐が追加された。さくさく進むテンポ感も健在で、気軽に別キャラや別ルート、腕前次第で難易度が上がった2周目にも挑戦できる。小気味良い個性派シューティングとして手堅くまとまった仕上がりとなっている。後にネオジオネオジオCDに移植されたほか、アケアカNEOGEOの一環でPS4・スイッチ・XboxOne向けに配信された。

本作の音楽を担当するのは細井聡司氏。スタッフロールのサウンド欄にはQ、P、NORIEとあるが、いずれもビデオシステムに所属していたメンバーで、Qが細井氏、Pがぴろを氏、NORIEが青木のりえ氏を指すものと思われる。このうち作曲は前作に続き細井氏が担っていて、曰くぴろを氏の提案により、本作の楽曲は90年代中期、つまり稼働開始当時まだ誕生して間もなかった新進気鋭のジャングル(ブレイクビーツシンコペーションを駆使したドラムンベースやレゲエの派生ジャンル)で統一されている。サウンドトラックについては、ボーナストラック付きの本作単体収録のものに加え、シリーズサウンドを網羅したものも存在する。

ラスボス戦のうち、ソーたけ子(同じくビデオシステム製のお雀子ハイスクールからのゲスト参戦で、火星ルートにおいて確率で出現する)以外と戦うときに流れるのがこの曲である。非常に美しく幻想的なピアノのフレーズが印象的で、周囲に伴奏やパーカッションが加わろうと終始一定のメロディーを奏で続ける。きっかり16秒ごとに変化する規則的な曲調が特徴で、始めはピアノ独奏、16秒からドラムビートが加わると、32秒で一転して静謐に包まれ、48秒には煌びやかなピアノの高音とともに再びソリッドなビートが戻り、1分4秒でループに突入する。不思議な浮遊感のあるリズム感と相まって、エクスタティックな中毒性を醸す一曲である。

すごく綺麗です。それにしても(本作に限らずよくあることですが)当時のスタッフロールって暗号ですよね。