VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1060 『烈風』(石渡太輔/BLAZBLUE CALAMITY TRIGGER/AC)

www.youtube.com

アークシステムワークスがおくる2D対戦格闘・ブレイブルーより、

石渡太輔作曲、CTの『烈風』。シシガミ=バングのテーマ曲として流れます。

ギルティギアシリーズのスタッフがおくる完全新作として登場した本作。魔術と科学を掛け合わせた万能の力・術式を管理して独裁政治を敷く統制機構に対し、たった一人で牙を剥く史上最高額の賞金首の男・ラグナが、第三階層都市・カグツチに出現したという情報を基に、様々な者たちがカグツチに集って相争うことになる。8方向レバー&弱・中・強攻撃+ドライブの4ボタンによる操作体系で、コンボの繋がりやすさとドライブ(キャラ固有の特殊行動)による多彩なアクションを重視したゲーム性が特徴である。肝となる対戦要素のみならず、壮大なファンタジーSF系の世界観のもと、性格も性能も個性的なキャラたちが織りなす重層的なシナリオも楽しめる。システムや方向性を概ね確立し、シリーズの第1作としての魅力を打ち出した仕上がりとなっている。後に追加要素を加えてPS3Xbox360PSP、Steamなどに移植された。

本作の音楽を担当するのは石渡太輔氏。アークシステムワークスに所属するゲームクリエイター兼作曲家である。作曲方面ではギルティギアシリーズをはじめ、本作および以降の作品でも携わっている。氏はGGシリーズではゼネラルプロデューサーを務める開発の責任者だが、本シリーズにはサウンドディレクターとして参加している。持ち味であるエレキギターを駆使したロック路線を踏襲しつつ、キャラの個性等に応じてオーケストラやコーラスなどを取り入れることで、本シリーズならではのバラエティに富んだ楽曲群を生み出している。サウンドトラックはアーケード版の原曲を収録したものや、家庭用移植の追加曲を収録したものに加えて、ボーカルアレンジ盤なども存在する。

シシガミ=バングのテーマ曲として流れるのがこの曲である。忍者の割に非常に直情的な熱血漢で、飛び道具ありの高機動かつ高威力な性能を誇る一方で、全体的に攻撃動作が重めである。そんな彼のテーマを、とにかく熱い性格をそのまま写し取ったようなパワフルなロックナンバーで凄烈に彩る。迸るような勢いで駆け抜けるエレキギターに、20秒頃から音量は小さめだが三味線が付き添うことで、華やかな情熱を生み出している。54秒からのサビではいかにも王道を突っ走るような直球勝負のメロディーを奏で、ヒーローソングさながらの勇ましい盛り上がりを見せる。曲後半、2分40秒頃で即興風の潔いフレーズを奏でると、いっそう血が騒ぐような熱狂を生む。熱さという概念をひたすら表現した一曲である。

12曲まとめていただいたリクエストの第11弾です。ファンがつけた歌詞が公式に採用されたという逸話で有名な曲ですね。