VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1086 『オープニング』(山岸継司/キャプテン翼II スーパーストライカー/FC)

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高橋陽一著のサッカー漫画を原作とする、

テクモがおくるサッカーシミュレーション・キャプテン翼より、

山岸継司作曲、2の『オープニング』(仮称、サウンドテストでは『SOUND 00』)。

オープニングデモで流れます。

テクモによるサッカー漫画「キャプテン翼」のゲーム化作品の第2弾にあたる本作。国際Jr.ユース大会の勝利から3年後を舞台に、ブラジルへ渡りサンパウロFCのキャプテンとなった大空翼は、チームを率いてゆくゆくはワールドユース大会の優勝を目指すことになる。ストーリーはゲームオリジナル(本作の発売当時、原作のワールドユース編はまだ連載前だった)で、ビジュアルシミュレーションサッカーゲームと銘打つ通り、試合中のアニメーションやカットインといったビジュアル面に大きく注力している。肝となる試合に関しては前作同様、ガッツや必殺技を軸としたコマンド選択型のシミュレーション形式で、新たに反則の判定やゴールキーパーとの直接対決、取れる行動などが追加されて順当にパワーアップした。熱く独創的なシナリオ、上質なグラフィックのもとで活き活きと動くキャラ、派手な必殺技など、オリジナル展開でキャプテン翼の世界を存分に楽しめる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはやまさんこと山岸継司氏、メタルゆうきこと斎藤幹雄氏、まゆこと岡村麻由子氏。いずれも当時テクモに所属していた作曲家である。このうち山岸氏は前作から引き続きの参加で、本作では幕間のシーンなどを除く大半の楽曲の作曲および効果音制作、サウンドプログラミングを手がけている。本作では曲尺は短めだがキャッチーなメロディーで魅せる情熱的な楽曲群が揃っていて、一部前作のアレンジも含まれる。サウンドトラックは未発売のため正式な曲名は判明していないが、作中に隠しコマンドで入れるサウンドテストがあり、そこでは曲名の代わりに通し番号が振られている。

オープニングデモで流れるのがこの曲である。冒頭の1秒ほどで勢いを蓄える特徴的なイントロで始まり、すぐさまメインメロディーに移ると、開始早々に非常に気持ち良いスピード感を印象付ける。曲にあわせて映像では颯爽と選手たちが活躍する様子が描かれ、フキダシによる小気味良い実況や、止め絵のキャラ紹介などが次々と表示されることで、曲と映像の相乗効果でますます勢いに磨きがかかる。16秒で一旦メインフレーズが収束すると、以降も継続的にアップテンポなドラムを鳴らし続けて勢いを保つ。39秒で再びメインフレーズを半音上げた形で繰り返すと、音程が上昇したことに伴ってさらに上向きな昂揚感を生み出す。曲の終わり頃には映像がシームレスにタイトル画面に変遷し、ぴったりの曲尺で鮮やかに締め括る。秀逸な映像表現も含めて、オープニングを飾るにふさわしい出色の疾走感に満ちた一曲である。

この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。映像には効果音も入っていますが、効果音の使いどころも冴えていて格好良いですね。ぜひ映像と一緒にどうぞ。

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