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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1113 『私にだけ優しくない優等生』(難波研・77works/白衣性愛情依存症/PSV)

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工画堂スタジオがおくるキラ☆ふわ看護学生アドベンチャー・白衣性愛情依存症より、

難波研・77works作曲、『私にだけ優しくない優等生』。

武田さくやのテーマとして流れます。

看護師の女の子同士の関係を描く百合アドベンチャー・白衣性恋愛症候群の後継作にあたる本作。同性間の結婚や出産が普及している世界を舞台に、帝都看護専門学校に入学した主人公・大幸あすかは、妹の大幸なお、同級生の天藤いつきと武田さくや、担任の大原かえでと親睦を深めていくことになる。前作は現場(病院)を中心に描いていたが、本作では学校が舞台であることに加え、主人公が非常にゆるふわな性格であることから、文体含め全体的な作風が緩くなった点が特徴である。前半は共通ルート、後半からヒロインごとの個別ルートでエンディングが分岐する仕組みで、分岐の種類は減ったものの、前作同様にメリハリのある結末が待ち受ける。甘々な描写からシリアスな描写まで、等身大の美少女たちの脆く甘酸っぱい交流を楽しめる仕上がりとなっている。後にPCやスイッチに移植された。

本作の音楽を担当するのは難波研氏と77works(クサノユウキ)氏。クサノ氏は当時、難波氏は現在もフリーランスの作曲家である。いずれも同人や美少女ゲームなどの作品の担当経験があることで知られる。本作では百合の世界観に見合った明るく瑞々しいピアノ曲を中心に据えつつ、場面によっては疾走感や緊張感のある電子音楽も使用されている。サウンドトラックはパッケージの限定盤に同梱されていたほか、SteamのDLCとして配信されている。

武田さくやのテーマとして、彼女に関連するシーンで流れるのがこの曲である。凛とした佇まいの成績優秀な良家の令嬢で、気高く責任感が強いが、主人公のあすかには思うところがあり、厳しい態度で接する。そうした特徴を踏まえて、この曲はまさしくお嬢様らしい風格を漂わせる優雅で躍動感のあるピアノ曲に仕上がっている。明るく聴きやすい主旋律と、反復多めのシンプルな伴奏の組み合わせによって、とても上品で耳馴染みする印象を与える。最初から最後まであまり曲調に変化がなく、ずっと一定のムードを保ち続けることで、簡単には揺るがないような、彼女らしい頑固な性質をよく表現している。音色や雰囲気は柔らかいが、芯のある強さを感じさせる一曲である。

曲名も物語性があってしっくりきますね。ちなみに動画の静止画だと右上隅、メガネっ子(いつき)の隣にいるのがさくやです。せっかくなのでいつきのテーマの『嘘つきのウソ』もあわせてどうぞ。

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