小谷和弘・常本正也作曲、極の『空間がひずみゆがむ、崩れて凍てついた古城内』。
2面後半の死の古城で流れます。
※単曲動画が見つからないため、15分延長版ですが、2ループで止めてます
高難度アーケードアクションとして名高い魔界村シリーズのうち、超以来15年ぶりの新作にあたる本作。暗黒の魔王によりさらわれたプリンセスを救出すべく、騎士のアーサーは再び魔界に赴くことになる。全5面構成の横スクロールアクションで、基本的なゲーム性や挙動は従来通り2Dだがグラフィックに3Dを取り入れている。標準的なバランスのオリジナル、初心者向けに一部ギミックやペナルティが緩和されたビギナー、従来作に近い仕様のアーケード、計3種のモードが搭載されている。これまでは鎧と生身で2度被弾するとミスして戻り復活する形式だったが、本作ではアーケードモードを除き、鎧に耐久値が設定されてミスしてもその場復活するようになった。また、従来の周回システムに代わって本作では道中に散らばるリングを所定数集めることでラスボスに挑める仕組みを採用している。これに伴って一度訪れたステージを再攻略したり、本作で新たに追加された装備やアイテムを駆使してルートを開拓したりする探索要素が強まった。システム面の刷新により一見すると現代向けに易化したように見えるが、これらの新仕様を前提としたレベルデザインに調整されているため、シビアな印象は薄れるどころか増している。総じてストイックかつ挑戦的な仕上がりとなっている。後に従来作寄りに仕様を見直したマイナーチェンジ版が登場した。
本作の音楽を担当するのは小谷和弘氏と常本正也氏。いずれも当時、本作の開発元であるトーセに所属していた作曲家である。両名とも魔界村シリーズの作曲には初参戦で、カプコン製の作品に携わる例が限られている。本作ではダークでアグレッシブなオーケストラサウンドというシリーズサウンドの方向性を踏襲しつつ、より中世らしいリアリティを追求して古典楽器や民族楽器の音色を積極的に取り入れている点が特徴である。ストリングスを軸としつつ、ところどころリラ(竪琴)やダルシマー(打弦楽器の一種)の魅惑的な響きを用いた表情豊かな楽曲が揃っている。サウンドトラックには効果音集も含めて収録されていて、ステージBGMを中心に曲名が長い点が印象に残る。
2面後半の死の古城で流れるのがこの曲である。ステージ前半の嵐の砦を抜けた先には不気味な古城が構えていて、横に連なった死霊の塊のようなものが動く足場として機能したり、ホラーっぽい霧状の顔や浮遊する脳みそのような敵が襲いかかったりする。そうしたなか、この曲は管弦楽器やクワイア、ハープを巧みに絡め合わせて薄気味悪くも美しいハーモニーを生み出している。時折細やかに掻き鳴らされる竪琴や鉄琴の音色が感興をそそり、33秒あたりから吹奏楽器がにわかに目立ち出すとさらに奥へ奥へと引き込まれるような没入感を覚えさせる。40秒過ぎからストリングスも加わって華やかな勢いを帯び、49~53秒にはブラスが力いっぱい響き渡って、城がかつての威光を取り戻したかのような一時的な盛り上がりをみせる。しかしすぐに盛りは過ぎ、フルートや鉄琴などが綺麗だが幻惑的な音色を奏でてやがてループに入る。不吉で末恐ろしいなかでも、城本来の気品と廃墟ならではの神秘が感じられる一曲である。
随分特徴的な命名ですね。そういえば最近だとモンハンライズとかが似た感じでしたね。