ハドソンがおくるシューティング・スターソルジャーより、
林茂樹作曲・迫田敏明編曲、ゲームキューブ版の『STAGE1』(仮称)。
1面で流れます。
ハドソン主催の全国キャラバン大会で親しまれたファミコン向けの同名作品のリメイクにあたる本作。人類の平和を脅かす人工知能率いるブレイン軍との戦いに終止符を打つべく、再び小型戦闘機・シーザーが出撃することになる。原作と作品名が同一で世界観は受け継いでいるが、ステージ構成やシステム、敵キャラなどが刷新された実質的な新作である。全10面構成の縦スクロールシューティングで、通常のゲームモードの他にキャラバン作品おなじみのスコア稼ぎに特化した2分モードと5分モードが搭載されている。ゲーム性は2Dのままで、細かい撃ち分けは抜きにひたすら連射してざくざくボーナスを得るスタイルは健在だが、グラフィックには3D表現を取り入れている。本作ならではの要素として、2Pコントローラを接続して共に連打すればアシスト連射できたり、新兵器としてゲージ消費型の弾消し攻撃・ブラスターが登場したりした。ゲージはすぐに溜まるためガンガン撃てるペースは保たれているが、後半に進むにつれて敵の弾幕が濃くなり、素早く連射しつつも微妙なタイミング合わせを要するようになる。総じて原作の面影は薄いなかでも変わらず連射にこだわった仕上がりとなっている。後にPS2とPSPに移植された。
本作の音楽を担当するのは林茂樹氏。編曲および効果音担当として迫田敏明氏も参加している。いずれも当時、本作の開発元であるスティングに所属していた作曲家である。おそらく林氏にとって本作はスティング入社後の初の作曲担当作品で、同時期に手がけた天外魔境2の移植版と並んでキャリア初期のものである。原作では国本剛章氏が作曲していたが、本作では基本的に新規に書き下ろされていて、新たにエレキギターを軸としたスピーディーなロックナンバーが取り揃えられている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
1面で流れるのがこの曲である。宇宙空間を背景に敵要塞を突き進んでいくオーソドックスなステージを彩るにあたって、曲のほうもエレキギターを掻き鳴らしてオーソドックスな格好良さを誇る。手始めにテンポよくキャッチーなリフを繰り返した後、16秒過ぎから目まぐるしく音階を駆け巡り、十分にエネルギーを蓄えたところで25秒からギターのパワフルなメロディーが朗々と響き渡る。そのまま勢いに乗って疾駆し続け、55~57秒で一際鮮やかに飛ばすと、以降はすこし抑え気味にアイドリング状態のような調子で推移する。1分3秒頃からドラムが強く鳴り始めると、それを合図にやがて再発進してループへと突入する。ゲーム開始直後にふさわしい分かりやすいノリと盛り上がりをみせる一曲である。
安心感のある格好良さですね。