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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#343 『Fullmetal Fighter』(迫田敏明/武者アレスタ/MD)

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コンパイルがおくる激闘ロボットシューティング・アレスタより、

迫田敏明作曲、武者アレスタの『Fullmetal Fighter』。1面道中で流れます。

ザナックの精神的後継作として登場したアレスタシリーズのうち、電忍アレスタなどとともに和風路線を征く本作。暴走したスペースコロニーの中枢システム・大亜51を鎮めるべく、主人公はMUSHA部隊の一員となってアームドアーマー・アレスタを駆ることになる。全7面構成で残機制の縦スクロールシューティングで、和×SF×メカの世界観のもとで繰り広げられる派手な演出や豪快な展開が特徴である。攻撃手段として通常ショット、3種類の特殊兵器、6種類のオプションが用意されていて、道中のパワーチップを取得すると通常弾がパワーアップするうえに、オプションをストックすることができる。しっかりと歯応えのある骨太な仕上がりとなっている。後にバーチャルコンソールで配信されたほか、メガドライブminiに収録された。

本作の音楽を担当するのは迫田敏明氏。当時コンパイルに所属していた作曲家で、前年のアレスタ2に引き続き、本作では全曲を単独で作曲している。本作では濃厚なSF的作風や、迫力たっぷりに明滅する画面にあわせて、無機質ながらも熱気に満ちたヘヴィメタル調の楽曲が揃っている。サウンドトラックは後に22年の時を経て、ナグザットシューティングコレクション(ナグザットはVC版の配信元である)にて初めて音源化された。

ROUND1で流れるのがこの曲である。開幕早々壊滅的な被害を受け、撤退を余儀なくされたMUSHA部隊だが、主人公は上官の命令に反してたった一機で敵要塞を叩くことになる、という導入のムービーに続いて始まるシチュエーションである。冒頭から鮮烈に響き渡るメタリックサウンドが特徴的で、勢いに気圧されんばかりの強烈なインパクトを与える。メロディーラインがはっきり現れる40秒以降、主旋律の裏で、明るく突き抜けるような高音のアルペジオによる伴奏を挿入することで、刻一刻と目まぐるしく変化する戦況を印象付ける。開始直後の1面を彩るにふさわしい、切り込み隊長のような役割を果たすパワフルな一曲である。

無理を通してでも敵陣に攻め込もうとする意気込みがよく伝わってきますね。