NMKがおくるシューティング・ラピッドヒーローより、
MUSTARD PAPA作曲・秀谷和則編曲、『Stage BGM B』。2面と4面で流れます。
※単曲動画が見つからないため、30分延長版ですが、2ループで止めてます
サンダードラゴンシリーズで知られるNMKの晩年の作品である本作。忍者のような出で立ちの紅蓮の機体を追うべく、パイロットの男女が出撃することになる。2人同時プレイに対応した全8面構成の縦スクロールシューティングで、操作体系は8方向レバー+2ボタン(ショットとボム)から成る非常にシンプルな設計である。4段階のパワーアップと3種類のサブウェポンがあり、サブウェポンは入替や切替式ではなくぜんぶ同時に装備可能で同時発射する豪快な仕様を特徴とする。敵は矢継ぎ早に押し寄せてくるが、連射でさくさく倒せる手頃な難易度に調整されていて、全体的に当たり障りのないゲーム性に落ち着いている。そのなかでもボスが主役と言えるほど終始目立っている点が印象深く、全ステージで同じ相手と戦うことになるが、毎度ボイス付きで新たな武器や攻撃方法を披露してくれる。分身したり変形したり合体したり、夕陽を背にマントを脱ぎ捨てたりする鮮やかな仕草をみせるため、見た目も演出も攻略法も変わる変幻自在ぶりを楽しめる。総じて無難でありつつロマンを秘めた仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはHIDE KAZ(秀谷和則)氏、SANTARO(並木学)氏、MUSTARD PAPA氏。いずれも当時NMKに所属していた作曲家である。ただしMUSTARD PAPAこと水嶋氏は本作よりも前に退職していたようで、退職前に残した曲が採用されたという経緯らしい。並木氏は1曲のみ提供で、秀谷氏がメインコンポーザーとして大半の楽曲の作曲と、すべての楽曲の編曲を手がけている。FM音源で魅せるシャープなメロディーラインに、サンプリング音源を取り入れたシックな伴奏を組み合わせることで、迫力のあるサウンドを生み出している。サウンドトラックについては、NMK製の他二作品とセットで収録されたアーケードコレクション盤のVol.3に本作が含まれる。
2面と4面で流れるのがこの曲である。2面は雲海を駆け抜けてコロニーの上空を往くステージで、4面は大河に沿ってジャングルを進むステージである。短いドラムイントロに続いてすぐにメインメロディーが参戦すると、派手なオーケストラヒットを伴いながら出し惜しみせず一気に盛り上げていく。終始ペースを落とすことなく鮮やかに疾駆するなかでも、30秒からストリングス風の音色を伸び伸びと鳴らしたり、45秒でドラマチックに高音を響かせたりすることで、曲の進行に合わせてますます鮮やかなメリハリをみせる。とりわけ1分~1分7秒で畳みかけるように音階を行き来するくだりは鮮烈を極めていて、他の部分とは異なりオーケストラヒットを使わずとも抜群の厚みと凄みを生み出すことに成功している。疾風怒濤の勢いがある一曲である。
素晴らしいハイテンションですね。気持ち良いです。