5pb.がおくる美少女アクション・ファントムブレイカーより、
阿保剛作曲、バトルグラウンドの『くもんじんじゃステージ』(『Shrine Stage』とも)。
5面で流れます。
美少女ゲームブランドの5pb.による対戦格闘ゲーム・ファントムブレイカーの2作目にあたる本作。破邪の一族である九紋家の少女・稚は、戦いに勝てば望みが叶うという甘言で人々を惑わす謎の男・ファントムにさらわれた妹を助けるべく、協力者の美琴、メイドの唯月、ニンジャの柚葉とともに立ち向かうことになる。前作からジャンルを変更し、チュートリアル+7面構成のレトロ風ベルトスクロールアクションに刷新されている。物語に沿って進めるストーリー、スコアとタイムを競って完走を目指すアーケード、最大4人の協力プレイに対応したCOOP、バトルロイヤル形式で対戦するバトルグラウンドの4つのモードが収録されている。前作とジャンルは違えどアクションの手触りは似通っていて、簡単操作で派手な必殺技やコンボを決められる仕組みは健在である。一方で、美少女ものらしいビジュアルが強調されていた前作と比べて、本作はレトロな見た目でキュートにデフォルメされ、全体的にカジュアル寄りになった。とはいえ往年のパロディや実在の街並みの再現など、主にサブカルチャー方面でのニッチなネタは充実している。総じて手軽にドタバタなノリを楽しめる仕上がりとなっている。後にVitaとSteamに移植されたが配信終了し、追ってアッパーバージョンのオーバードライブがPS4とスイッチに登場したがそちらも配信終了した。
本作の音楽を担当するのは阿保剛氏。5pb.(現在はブランド廃止に伴い主管のMAGES.)に所属する作曲家で、ゲーム音楽のキャリアは90年代前半から長く続けている。ファントムブレイカーシリーズには前作に引き続き参加している。前作では鮮やかなシンセサウンドが特徴的だったが、本作はレトロなグラフィックに合わせて音楽もPSG音源によるチップチューンを採用している。リアリティのあるレトロ感と現代的な響きをバランスよく組み合わせた音色づくりを楽しむことができる。サウンドトラックはVitaの限定版に同梱されたほか、各種デジタルストアでも配信されていて、なかにはDLCやFM音源アレンジなどを収録したものもある。
5面で流れるのがこの曲である。九紋家のお膝元である九紋神社を舞台とするステージで、境内や竹林、鳥居などの象徴的な景観が見える。これまでは秋葉や池袋など分かりやすく実在のロケーションが描かれてきたが、ここからクライマックスに向けて異空間に繋がっていく。そうしたシチュエーションにあわせて、イントロから鋭く激しく切り込む鮮烈なメロディーラインで一気に盛り上げてくれる。12秒過ぎからエレキギター風のキレと伸びのある秀逸な音色が鳴り始めると、騒がしい伴奏やドラムと一体となってますますパワフルな響きを生む。21~28秒で低音域からうねるようにして這い上がったり、41~45秒や49~53秒で小刻みに音色を切ったり揺らしたりして随所に技巧的な要素を散りばめているのが印象深い。やがて機が熟すと1分1秒で転調して強力なキラーチューンを奏で、1分9秒からの豪胆なフレーズに続けて1分18秒からさらにもう一押し疲れ知らずの展開をみせる。1分34秒で発散した後もしばらく興奮冷めやらぬ状態が続き、ややあって元のキーに戻ってループに入る。末恐ろしいほど迫力抜群な一曲である。