門倉聡作曲、2の『バーニング・スピリット』。通常戦闘で流れます。
少年ジャンプのキャラがクロスオーバーするファミコンジャンプの続編にあたる本作。前作の戦いを経て平和に戻ったはずのジャンプワールドで再び異変が起きたことを受け、精霊に選ばれた最も勇敢な7人のヒーローたちが旅立つことになる。前作はアクションRPGをベースに多彩なミニゲームが含まれるジャンル横断的な内容だったが、本作は当時の王道を往くスタンダードなRPGで、世界観は共通しているが物語は独立して楽しめるように再構成されている。参戦キャラは孫悟空、タルるート、空条承太郎、ターちゃん、剣桃太郎、前田太尊、両津勘吉で、開始時に主人公を選んで各々のの旅立ちシナリオを描き、やがて集合シナリオへと繋がっていく流れである。特筆すべきはシミュレーションアクションシステムと称する戦闘システムで、ターン制でユニットの移動の概念があり、地形、向き、攻撃範囲、位置取りなどを意識しながら進めていく。パーティは最大3人までと人数が限られているが、キャラごとに設定を反映した攻撃方法や必殺技が用意されているため、編成と戦略次第で個性的な立ち回りができる。総じて手堅く愉快にまとめられた仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは門倉聡氏。主にJ-POPへの楽曲提供やアニメの劇伴などを手がける作曲家で、ゲーム音楽方面ではメタルマックスシリーズの作曲者としてよく知られている。本作は初代メタルマックスと同年発売であるため、氏にとって初期の担当作品である。前作はトーセの安達晴樹氏らが作曲していて、簡素ながら軽妙でバラエティ豊かな楽曲を取り揃えていたが、本作では一曲ずつ入念に音色に厚みを持たせ、メロディーで魅せる作風にシフトしている。尺が短いもの、複数のシーンで使い回されるものなども含まれるが、全体を通じて情熱的で小気味良い雰囲気がうまく醸し出されている。サウンドトラックには原曲音源ではなくアレンジが収録されている。
通常戦闘で流れるのがこの曲である。オルガンのソロを彷彿させるシリアスでダイナミックなイントロで始まり、9秒頃でメインメロディーが加わるとイントロのインパクトに引けを取らないキャッチーな展開をみせる。主旋律そのものが激しく物哀しく耳に残るなかでも、その裏で冒頭同様に絶えず躍動的な副旋律をあてがい、きっちり分かりやすくドラムを刻むことで、すべての音がうまく絡み合って相乗効果でますます鮮烈な昂揚感と悲愴感を生み出している。29~33秒で緊張感のあるフレーズを奏でた後、続けて低音域から這い上がるような独特な間奏を交えてループに突入する。戦うことの醍醐味、命を賭して魂を燃やす直感的な熱さが詰まった一曲である。
お尋ね者との戦い似のイントロから炸裂するこの秀逸なメロディーは、聴いているとフフッと嬉しくなります。サントラ音源のさらに熱いアレンジと、あとまあせっかくなので貼っておきましょうか。