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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1126 『Battle』(門倉聡/メイQノ地下ニ死ス/PSV)

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コンパイルハートがおくるロボと魔物と魔法少女RPG・メイQノ地下ニ死スより、

門倉聡作曲、『Battle』。前半の通常戦闘で流れます。

コンパイルハートのゲームブランド・魔界1番館のうち、魔壊神トリリオンに続く第2弾にあたる本作。星の自転が止まったことで闇に覆われた世界を舞台に、魔械士の少女・エストラは、機械仕掛けの守護者・ガーディアンを使役し、自転を司る星のネジを求めて塔に挑むことになる。ロボと魔法少女をフィーチャーした3DダンジョンRPGで、シナリオ要素は薄めである分、ダンジョン探索と戦闘に重きを置いている。ダンジョンは迷路のように入り組んだ複雑かつ淡泊な構造で、戦闘は魔械士(サポート特化)とガーディアン(攻撃特化)のペアによる最大3組・6キャラまで参加できるターン制コマンドバトルを採用している。ロボという性質上、ガーディアンのカスタマイズ要素が豊富で、各パーツに装備を取り付けることで、パラメータや付与スキルを自分好みに設定できる。カスタマイズの嵌まり具合が勝敗の鍵を握るゲームバランスに調整されていて、試行錯誤によって攻略難度が大きく変わる。やや粗削りなつくりだが、独特な戦略性を感じさせる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは門倉聡氏と佐藤天平氏。いずれもフリーランスの作曲家で、門倉氏はメタルマックスシリーズ、佐藤氏はコンパイルハート製だと魔壊神トリリオンやムゲンソウルズシリーズなどで知られる。本作はディレクターにメタルマックスシリーズの田内智樹氏を起用していて、作風も似せているところがあることから、その流れで門倉氏も参加している。本作では戦闘曲は重いロック調、ダンジョン曲はファンタジー風の幻想的な曲調を中心に取り揃えられている。サウンドトラックは限定版に同梱されている。

前半の通常戦闘で流れるのがこの曲である。唸るようなギターで始まる濃密なロックナンバーで、最初から最後まで重々しい曲調を貫き通す。魔法少女モノらしいポップでキュートな雰囲気は一切ない、ギターと電子音の轟音を前面に押し出した徹底的に硬派な響きが印象的である。イントロから窒息せんばかりの重さを醸し出していて、はっきりとしたメロディーが入るまで長く焦らし続ける。威圧的なフレーズを粘り強く反復し、1分8秒頃になってようやく主旋律が入ると、重苦しくも勢いあふれる秀逸な重厚感を漂わせる。程なくして聴き覚えのあるフレーズの反復に戻るが、終盤の2分44秒で即興風のギターパートが追加される。曲の大半は焦らしに徹し、終盤で発散するというかなり立ち上がりの遅い曲構成に仕上がっていて、非常にストイックな格好良さを誇る一曲である。

骨太で芯のある戦闘曲ですよね。飾り気のない直球な曲名も合ってますね。