VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1714 『地底マップ』(坂倉雄一・森本ゆきえ/がんばれゴエモン外伝2 天下の財宝/FC)

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コナミがおくるRPGがんばれゴエモン外伝より、

坂倉雄一・森本ゆきえ作曲、2の『地底マップ』。地底のフィールドで流れます。

コミカルな和風アクションで知られるゴエモンシリーズのうち、RPGに衣替えした外伝の2作目にあたる本作。今度のゴエモンは、賞金一億両と謳う世界ドロボウ大会に出場すべく相棒のエビス丸とともに旅立ち、やがて天下の財宝をめぐる野望に巻き込まれることになる。概ね前作のシステムやゲーム性を踏襲したスタンダードなコマンド選択式のRPGだが、ファミコン末期の作品ということもあって本作では一段とボリュームやビジュアルの表現力が向上している。財宝を求めてあちこち旅するなかで、ピラミッドや南極、果てには月面まで、潜水艦やUFOなど多彩な乗り物を使って訪れることになり、前作以上にスケールが大きくなんでもありな作風が強調されている。本作での大きな改良点は戦闘まわりで、右枠にあった顔グラフィック表示を撤廃してレイアウト調整し、敵味方の行動アニメーションを拡充しつつ全体的な処理が早まって戦闘テンポが上昇している。一方でボリューム増に伴うダンジョンの冗長さや使い回しはすくなからず見受けられる。総じてハチャメチャな和風冒険活劇のコンセプトがしっかり体現された仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは坂倉雄一氏と森本ゆきえ氏。スタッフロールではそれぞれ「まぼろしの おとこ サカゴン」「でんせつの おんな モリモト」とクレジットされている。いずれも当時コナミサウンドチームである矩形波倶楽部に所属していた作曲家である。両名ともゴエモンシリーズに参加するのは初めてのようで、前作の6名から成る大所帯の作曲体制から変わって人数が抑えられている。だが曲数は前作以上に充実していて、短いジングルを除いた状態でも70曲近いバラエティ豊かなBGMが取り揃えられている。音色の鳴らし方や質感を追求した鮮やかなファミコンサウンドを堪能することができる。また、他作品からのゲストキャラが出演している関係上、出典作品からのアレンジが一部存在する。サウンドトラックは本作単体では未発売だが、歴代シリーズ楽曲をまとめたサウンドBOXに本作の楽曲が含まれる。

地底大陸のピロロンワールドにおけるフィールド曲として流れるのがこの曲である。地底といってもおどろおどろしい場所ではなく、食べ物をモチーフにしたポップなフィールドである。樹木の代わりにニンジンやリンゴが突き刺さったり、クッキーやケーキで彩られたお菓子の宮殿があったりしてカラフルでメルヘンチックな雰囲気を色濃く漂わせている。そうした雰囲気に合わせて、この曲も開始早々から底抜けに陽気なムードを醸し出す。5秒からは主旋律の傍らでピコピコと間断なくリズミカルな副旋律を鳴らすことで軽快な響きを強めていて、ジャズやラグタイムに通ずるような耳心地の良さがある。13秒から中低音域を軸にすこし渋めのフレーズを奏で、明るい曲調のなかに底光りするアクセントを添えている。20秒あたりで潔く締め括ると即座にイントロに戻ってループに入る。短いけれど確実に耳に残る快さがある一曲である。

遊園地のアトラクションみたいな目まぐるしさがあって良いですね。