VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1715 『BATTLE LOGIC』(本山淳弘/バトルバクレイド/AC)

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ライジングがおくるシューティング・バトルバクレイドより、

本山淳弘作曲、『BATTLE LOGIC』。7面で流れます。

バトルガレッガやバトライダーの流れを汲むバトルシリーズの第3弾にあたる本作。飛行機開発と空戦競技が盛んな科学先進国・ランダは、海を挟んだ大陸でデネブ帝国が近隣諸国を侵略している事態を受け、救援要請に応じて軍の代わりに空戦競技で鍛えた精鋭のバクレイドたちを向かわせることになる。初級は4面、中級6面、上級8面構成、難易度によってステージ数が変わる縦スクロールシューティングである。自機は隠し機体含めて計9機あり、それぞれ性能や搭載されている武装が異なる。操作は8方向レバーと3ボタンから成り、ボタンの内訳はショット、ボンバー、オプションフォーメーションチェンジである。ショットはメイン・サイド同時発射で連射や溜め撃ちも可能で、特にサイドショットに関しては前作までにはなかった要素で自機ごとに専用のアクションを放つことができる。全体的にグラフィックはマットな質感で、描き込まれているものの描画崩れが発生する場面もすくなくない。恒例のランク制や前作でみられた道中のランダムステージは健在で、新たにスコア倍率の概念が追加されたことで掛け算式で点数が膨れ上がって稼ぎやすさが大きく向上している。総じて作風はストイックだが稼ぎのダイナミックさが目立つ仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは本山淳弘氏。フリーランスの作曲家で、魔法大作戦シリーズをはじめライジングやエイティング製の作品には頻繁に携わっている。バトルシリーズの前2作は並木学氏らが関わっていたが、本作ではシリーズ初参加の氏が単独で作曲を手がけている。これまでのテクノやハードコア系の音楽性を一部引き継ぎつつ、本作ではバンドサウンド的な爽やかな印象が強まっている。エレキギターハモンドオルガン、ときにはオーケストラやクワイアを取り入れて痛快かつ重厚な雰囲気をつくり出している。サウンドトラックにはオリジナル音源とステレオ音源がそれぞれ収録されている。

STAGE 7「VALLEY」で流れるのがこの曲である。上級でのみ挑戦できる終盤のステージで、溶岩のようなものが流れる谷の上空を進み、やがて帝国の本拠へと繋がる玄関口に辿り着く。クライマックスが迫る場面を彩るにあたって、手始めにスリルとテンションに満ちたシンセを鳴らしてシリアスな第一印象を形作る。6秒から重量感のあるパーカッションに豪快なエレキギターが加わることで、まだ曲は始まったばかりなのに早くも力強いカタルシスを生む。メインメロディーが入るのは35秒以降で、ギターの他にクワイアやブラス、ストリングスが相次いで響いて非常に手堅く精強な盛り上がりをみせる。やがて1分3秒で再びシンセが前面に押し出されると、それまでの激しい曲調から一転して神秘的で理性的な空気感に包まれ、程なくしてループに入る。聴いていて気持ち良いほどの使命感と躍動感がある一曲である。

たしかに曲名通りなんとなくロジカルな響きがある気がしますね。格好良いと思います。