VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1850 『アーマメントファクトリー』(吉永涼/白き鋼鉄のX 2/NS・PS4・PS5・XOne・XX|S・PC)

www.youtube.com

インティ・クリエイツがおくるアクション、白き鋼鉄のXより、

吉永涼作曲、2の『アーマメントファクトリー』。工場ブロックで流れます。

ライトノベル風の世界観とスピーディーなアクションで知られるガンヴォルトシリーズのスピンオフ第2弾にあたる本作。白き鋼鉄のXこと天才科学者・アキュラは、研究のさなかに異世界に飛ばされ、帰還の手がかりを求めて砂漠に聳え立つ巨大な塔・グレイヴピラーを目指すことになる。キャラや根幹のゲーム性は前作と共通している部分が多いが、物語は予備知識がなくても理解しやすく作品全体の比重として軽めである。前作では射撃を軸としていた通常攻撃が、本作では近接で三連撃するブレイクホイールを軸とするようになり、接近戦で素早く敵を撃破する快感が味わえる。空中で高速移動するブリッツダッシュは、前作ではゲージ消費制でゲージがある限りは何度も使えたが、本作では通常時は滞空中に一度しか使えなくなった。代わりに道中で一定ポイント集めるとオーバードライブ状態に突入して期間中は無制限にブリッツダッシュを繰り出せる。いつでもノーコストで体力全回復できるなどの救済要素が設けられている分、難易度は全体的に高めで、エンディング条件にも難易度設定と高難度化による一部機能の縛りが絡む。総じてアクションの手堅さを保ちつつ前作とは違った遊び心地がある仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは川上領氏、酒井祐輔氏、佐藤巧氏、佐藤裕之氏、武田葵氏、山田一法氏、吉永涼氏。いずれもインティ・クリエイツのサウンドチームであるIII(トリプルアイ)のメンバーである。また、主にボーカル曲の編曲担当としてフリーランスのヨナオケイシ氏が参加している。このうち酒井氏と武田氏を除くメンバーは前作から続投している。アッパーでスタイリッシュなシンセやテクノ、エレクトロニック系の楽曲は本作でも健在で、前述のオーバードライブ状態に突入する際にはシリーズ恒例の挿入歌が入ってステージ攻略を力強く盛り上げてくれる。サウンドトラックはボーカル曲や短いジングル等も含めて2枚組で収録されている。

工場ブロックで流れるのがこの曲である。グレイヴピラーの中腹にあるステージの一つで、物語中盤で訪れることになる。工場らしいメカニカルでメタリックな背景とベルトコンベヤや地雷などの罠が目立つ。そうしたなか、出だしから研ぎ澄まされた電子音を鳴らして鮮やかな疾走感を漂わせる。3秒過ぎから奏でられるメインメロディーは素早く縦横無尽で、芯の通った力強さがあり、伴奏の躍動的なリズム感と相まって独自のノリと聴き応えを生む。30秒あたりで新しいフレーズを交えてじわじわとテンションを高め、39秒にはほぼ継ぎ目なくサビに入ってクールでディープな盛り上がりをみせる。51~54秒で一際甲高くうねりの効いた音色を披露したあと、あえて主旋律が途切れて不意に伴奏とパーカッションに見せ場を与える。周期的に短く鳴る電子音はまるで機械の鼓動のようで、工場を駆け抜けるシーンによく合っている。格好良さが凝縮された一曲である。

この息もつかせず畳みかけてくる電子音が気持ち良いですね。