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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#111 『Supermoon』(65daysofstatic/No Man's Sky/PS4)

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1800京にも及ぶ未知の惑星を探索するアドベンチャーゲーム・No Man's Skyより、

65daysofstatic作曲、『Supermoon』。探索時などで流れます。

想像を絶する天文学的なスケールの冒険が、発売前に大きな注目を浴びることとなった本作。発売後は自動生成による、およそ人と会うなどあり得ないほど途方もなく単調なフィールドが、オープンワールドのMMOと期待されていたこともあり、空前絶後の賛否両論を巻き起こした。広大すぎる世界に、孤独すぎるゲーム性は、その後アップデートによりいくらか万人受けしやすい工夫がなされたものの、依然として人を選ぶ仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはイギリスのロックバンドである65daysofstaticの面々。ロックのなかでも主にマスロックやポストロックといったエクスペリメンタルなジャンルで活躍する彼らは、ゲームという新たな領域で、インストゥルメンタルミュージックの表現の限界に挑戦した。無人の宇宙を探索するという究極のSFを描くにあたって、本作ではアンビエントエレクトロニカにまでジャンルを拡大して作曲をおこなった。

トレーラーでも用いられたこの曲は、延々と続くプロシージャルな世界に合わせて、音楽もそれと同様にその場の行動に応じてプロシージャルに生成される。「あなたは、宇宙の第一発見者になる」という印象的で心躍る本作のキャッチコピーに違わぬ、神の視点から俯瞰したかのような荘厳なコーラスが、周期的なビートを奏でるアグレッシブなドラムを寂寥感たっぷりに彩る。エレキギターの轟音を持ち味とする65dosの楽曲にしては全体的におとなしめの曲調だが、後半に向けて徐々に本領を発揮し、かつまたもう一つの持ち味である美しく均整の取れたピアノは、ところどころに轟音を掻き消す静謐さをもって挿入される。本作の先鋭的な世界観にふさわしい、宇宙の神秘を体現し尽くした一曲である。

もともとポストロックが好きでして、そのなかでもとりわけ65dosが大好きでして。曲の説明がついつい長くなってしまったのはそういう経緯です。せっかくだからもう一曲、『Asimov』も聴いていってください。何ならサントラを買ってぜんぶ聴いてみるのはどうでしょう。

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