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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#262 『No turning back』(三好智己/いけにえと雪のセツナ/PS4・PSV)

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Tokyo RPG FactoryがおくるファンタジーRPG・いけにえと雪のセツナより、

三好智己作曲、『No turning back』。通常戦闘で流れます。

90年代の古き良きJRPGのスタイルを現代に蘇らせるという理念のもとに創設されたTokyo RPG Factoryのデビュー作にあたる本作。雪が降りしきる島国にて、魔物たちを鎮めるべく執りおこなわれるいけにえの儀式に送り出されたいけにえの少女・セツナとその護衛隊は、様々な思惑に巻き込まれながらも最果ての地を目指すことになる。儚くも美しい銀世界のグラフィックと、ほんのり切ないシナリオが織り成す物語が特徴で、システム面もクロノ・トリガーをベースにしたアクティブタイムバトルが採用されるなど、王道を貫く姿勢が窺える。総じて伸びしろのある意欲作に仕上がっている。

本作の音楽を担当するのは三好智己氏。発売当時、22歳の若さで本作の楽曲をすべて単独で作曲している。一面雪に覆われた世界観を描写するにあたって、ほとんどの曲がピアノのみで構成されているのが最大のポイントで、古き良きJRPGというコンセプトに囚われぬ創造性が発揮されている。サウンドトラックについては、オリジナル盤のほか、ハイレゾ音源を収録したコレクション盤も発売されている。

通常戦闘で流れるのがこの曲である。前述の通り、戦闘システムは親しみやすいATBとなっていて、オードソックスながらも手に汗握る戦闘シーンを、疾走感あふれるピアノの音色で華麗に彩る。ピアノ一台とすこしのパーカッションだけでつくりあげる端然たる旋律は、厳冬の激しい風雪と、それでも後戻りすることなく突き進む主人公一行の旅路を力強く表現している。リズミカルな凛々しさに満ちた一曲である。

まるでピアノが踊っているかのような独特な小気味良さがあっていいですね。