VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#337 『悲しき自由』(JOHN PEE/トレジャーハンターG/SFC)

www.youtube.com

スティングが手がけるスーファミ末期の冒険活劇RPGトレジャーハンターGより、

JOHN PEEこと田中光人作曲、『悲しき自由』。アトランティスで流れます。

次世代機の64が発売されるわずか一ヶ月前にスーファミに登場した本作。由緒正しいトレジャーハンターの家系であるG家の末裔・レッドとブルーが、謎の財宝オーパーツを求め、仲間と一緒に冒険の旅に出かけることになる。本作のグラフィックとサウンドはいずれもハードの円熟期にふさわしく非常に完成度が高く、アクションポイント・バトルシステムと呼ばれる意欲的な戦闘システムは、マス目で区切ったトップビュー型のフィールドを舞台に、SPRG的な要素を含んで進行するという特徴がある。2007年にはバーチャルコンソールも配信されている。

本作の音楽を担当するのは岩田匡治氏、崎元仁氏、迫田敏明氏、JOHN PEE氏などの複数の作曲家たち。このうちJOHN PEEとは当時スティングに所属していた田中光人氏の別名である。また、スタッフロールに表記されているのは以上四名だが、サウンドトラックによるとこの他にも後藤秋子氏、高田陽子氏、まついともこ氏が作曲に携わっている。本作の総曲数は80を超え、その一つ一つの楽曲のクオリティの高さとともに、しばしば曲名の珍妙さが注目される。

個性的な曲名のなかで一際異色な、まともでシリアスなネーミングセンスを誇るこの曲は、物語後半に訪れることになるアトランティスにて流れる。主人公一行がやってくる、このどことなく荒涼とした大地には、城が聳え立っている。煌びやかでありながら退廃感漂うそうした雰囲気を、ゆったりと切なさ薫るピアノの音色が静かに彩る。ときにコーラスを取り入れつつ、儚く、そして美しく奏でられる旋律は、1分10秒あたりで曲調に変化が生じ、そこからの展開は、繊細さを保ちながらも芯の通った粘り強さを感じさせる。1分57秒で一連のメロディーが完結すると、繋ぎ目をまったく意識させない流麗さで自然にループへと突入する。

90年代後期の似たような曲として思いつくのはLOMの『滅びし煌めきの都市』でしょうか。曲全体を支配する空気感になんとなく共通点があるような感じがします。

thytimes.hatenablog.com