Ubisoftがおくるシミュレーションアドベンチャー・マリオ+ラビッツより、
Grant Kirkhope作曲、『Mid Boss Mayhem』。中ボス戦で流れます。
任天堂のマリオとUbisoftのラビッツの異色のコラボ作品として登場した本作。ラビッツたちの悪戯が原因で平和なキノコ王国上空に巨大な渦が発生、混乱して様変わりしてしまった王国を元に戻すため、マリオとラビッツは協力して戦うことになる。探索モードとバトルモードに分かれていて、おかしくなったキノコ王国を冒険して謎を解き、探索の合間にバトルステージで戦闘をおこなう。マリオ・ルイージ・ピーチ・ヨッシーの4人と、4人に扮したラビッツの計8人のうち、3人一組(マリオは主人公で固定)でチームを組んでターン制のシミュレーションバトルをこなしていき、武器を片手にギミック満載のマス目状のマップを移動、敵を殲滅したりゴール地点を目指したりする。ハチャメチャな作風ながら、ストラテジーゲームとしての魅力を押さえた仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはGrant Kirkhope氏。フリーランスの作曲家で、マリオシリーズには広義に解釈してドンキーコング64などに携わった経験がある。ただ、本家のマリオに直接かつ単独で作曲するのは初めてのことで、氏にとっても大きなプレッシャーだったという。本作ではスーパーマリオギャラクシー的な音楽性をイメージしたオーケストラサウンド(本人談)を主調に、ドタバタでクレイジーな雰囲気に見合った賑やかな楽曲が揃っている。サウンドトラックはビニール盤・デジタル配信ともに発売されていて、Ubisoftの公式youtubeチャンネルにてフル試聴できる。
ラビッツパックンをはじめ、各ワールドの折り返し地点にて待ち受ける中ボス戦で流れるのがこの曲である。イントロからノリノリなラッパが鳴り響くアップテンポな一曲で、管弦楽器が一体となって元気溌剌かつ迫力満点なメロディーを紡いでいく。時折挿入される木琴のせわしげな音色がエキサイティングな雰囲気に磨きをかけ、1分45秒からはフルートが一際美しい高音を奏でることで、いっそう目まぐるしい曲調の変化を感じさせ、曲名が示す通りの「mayhem(どんちゃん騒ぎ)」を表現している。なお、最終ワールドのステージ8は例外的に中ボスが三体登場するが、そこではこの曲ではなく、より重厚で怪しげなアレンジ『Bwa Enemies!』が流れる。
どんちゃん騒ぎという単語がまさにぴったりですよね。『Bwa Enemies!』は結構意欲的な出来で、主旋律は一緒だけどかなり遊び心たっぷりに編曲されています。あわせてどうぞ。