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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#561 『End Titles: The Last Guardian Suite』(古川毅/人喰いの大鷲トリコ/PS4)

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SIEとgenDesignが手がけるアクションアドベンチャー・人喰いの大鷲トリコより、

古川毅作曲、『End Titles: The Last Guardian Suite』。スタッフロールで流れます。

ICOやワンダで知られるゲームデザイナー・上田文人氏による監督作品の三作目として登場した本作。人を喰うという言い伝えのある巨獣とともに、一人の少年が絆を通わせながら冒険を進めていくことになる。道中の謎解きは少年と大鷲トリコで持ちつ持たれつ、協力し合いながらそれぞれの得意分野を生かす必要があり、前二作同様、本作でも世界観重視の作風は健在である。トリコとの触れ合いを通じて、その威圧的な体躯に秘められた愛らしさを知り、その息遣いを間近に感じることで、いつしか一人と一匹は深い絆で結ばれていく、そんな優しさと切なさあふれる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは古川毅氏。アメリカ育ちの作曲家である。スタートレックスターウォーズといったSF作品でオーケストレーションを務めた経験のあり、ゲーム音楽を本格的に手がけるのは本作が初めてのことである。環境音楽が中心だった前二作と比較して、本作はディズニーやハリウッドをイメージしたいわゆる「音楽的王道」を目指した音楽づくりとなっていて、全編にわたって気品あふれるオーケストラが採用されている。92名からなるロンドン交響楽団のほか、トリニティ少年合唱団やLondon Voicesによる美しい歌声も加わることで、非常に豪華で実り豊かなシンフォニックサウンドを心ゆくまで堪能できる。サウンドトラックはゲームの発売後すぐに登場し、その完成度の高さゆえに音楽関連の賞をいくつか受賞したりノミネートされたりしている。

本作の最後、すなわちスタッフロールで流れるのがこの曲である。曲名にSuite、組曲とある通り、今までの冒険を一挙に振り返るような曲調となっていて、聴くだけでトリコとの思い出の数々が走馬燈のように蘇っていく。静かに独奏するピアノは、徐々に壮大なオーケストラを伴うようになり、どこか翳のある音使いながらも、陰惨さを感じさせない最上の臨場感と躍動感を醸し出す。少年とトリコ、冒険の軌跡をたどるダイジェスト映像とともに流れるこの曲は、溜め息が出るほどの圧倒的な美しさに満ちた一曲である。

ここまで優しい余韻に浸れるエンディングはなかなかないですね。ところで本作の楽曲メイキングトレーラーが公式のほうで挙げられているのですが、そちらも面白いのでよければご覧ください。

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