VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#761 『静かに熱く』(本山明燮/閃乱カグラ -少女達の真影-/3DS)

www.youtube.com

タムソフトがおくる爆乳ハイパーバトル・閃乱カグラより、

本山明燮作曲、『静かに熱く』。詠との戦闘で流れます。

マーベラスの爆乳ハイパーバトル・一騎当千シリーズの系譜を継ぐ完全新作として登場した本作。忍が現存する世界を舞台に、国家直属の育成機関・国立半蔵学院に通う五人の女学生は、悪の忍を擁する秘立蛇女子学園のライバルたちと戦うことになる。物語を追うノベルパート、キャラクターたちのやりとりを楽しむアドベンチャーパート、任務を遂行するアクションパートに分かれていて、アクションパートではベルトスクロール型の爽快なバトルが繰り広げられる。3DS立体視を駆使した揺れの描写が徹底されていて、衣装が変わって能力が強化する忍転身システムなど、意欲的な要素が盛り沢山詰め込まれた仕上がりとなっている。後に完全版として発売されたBurstでは、主役を交代した蛇女編のシナリオが追加されている。

本作の音楽を担当するのは石村睦氏と本山明燮氏。主題歌のみ林達志氏が担当している。このうち石村氏と本山氏は、かつてタムソフトに所属していた経験があり、現在は音楽制作会社SoundLab MIに所属している作曲家である。本作では忍をイメージした和の雰囲気とアクションものらしい派手で情熱的なロックとを融合させたパワフルなギターサウンドが揃っている。サウンドトラックはビジュアルブックおよびドラマCDに同梱されたもののほか、続編の2の予約特典としてシリーズ作品の楽曲を網羅したものが存在する。

詠は蛇女子学園所属の悪忍で、物腰柔らかなお嬢様然とした見た目とは裏腹に、大剣を背負い、黒い感情を内に秘めている少女である。特に主人公側の斑鳩を敵視していて、斑鳩を操作して詠と対峙する戦闘シーンにおいて流れるのがこの曲である。甲高い尺八の音色からスタートするアップテンポなシンセナンバーで、さながら歌モノのようなキャッチーさで紡がれるダイナミックなメロディーラインが印象的である。とりわけ1分48秒頃に挿入されるエレキギターの即興風の演奏は、沸々と闘志と憎悪がわくような力強さにあふれていて、詠の淑やかな外見とのギャップを目一杯思い知らせてくれる。なお、この曲はBurstでも引き続き用いられていて、蛇女編で詠を操作して忍転身する際に流れる。

あまり静かではないかもしれませんが、非常に熱い一曲ですね。詠のラディカルな側面がよく表現されています。