セガがおくるハイスピードロボットチームバトル・ボーダーブレイクより、
メタセコイア作曲、『火蛾(かが)』。GRF側の第3採掘島で流れます。
セガ製のアーケード用本格ロボットアクションとして登場した本作。軌道ステーションの爆発事故を受けて地上に降り注いだ未知の毒性物質・ニュードの膨大な資源的価値を巡り、回収と独占を目論む国際機関・GRFと、大気汚染からの復興を訴える環境組織・EUSTが対立することになる。いずれかのチームに属し、兵装を整え、配属された戦地にて敵陣営に設置されたコアの破壊を目指して、全国のプレイヤーと最大10vs10のオンライン対戦を繰り広げていく。1、2年周期で大型のアップデートが実施されていて、カスタマイズの幅が増えたりバトルモードが追加されたりしている。ロボットものならではの高密度なSFの世界観と充実したカスタマイズ要素、戦略を問われる白熱したゲーム性が融合した仕上がりとなっている。後にPS4向けに基本プレイ無料で配信された。
本作の音楽を担当するのはメタセコイアの面々。本作用に編成されたBB専属のサウンドチームで、伊藤二三雄氏や尾池直人氏、永田泰之氏など、本作の開発元である第二研究開発本部(旧SEGA-AM2)所属の作曲家たちが中心となっている。同じマップでも陣営ごとに異なる楽曲が用いられ、大まかな特徴としてはGRF側はオーケストラ系で曲名が日本語、EUST側はロック系で曲名は英語、というふうに概ね統一されている。バージョンアップのたびに新規曲が大幅に追加され、その都度サウンドトラックが発売されている。
GRF側の第3採掘島で流れるのがこの曲である。山に囲まれた住宅地と海に面した工場地帯が鉤型に配置された戦場で、GRF陣営は海側を拠点とすることになる。EUST側の『Urban Crusher』がピアノ、エレキギター、シンセなどを使った焦燥感あふれるロックナンバーであるのに対し、こちらは同じく急かされるような雰囲気を纏いつつ、木琴やストリングス、ブラスといったアコースティックな楽器に電子音を組み合わせた勇壮なシンフォニックサウンドに仕上がっている。はじめは木琴の細やかな音色が目立つが、徐々にオーケストラ楽器が幅を利かせるようになると、48秒からは木琴がオクターブを上げて高音域に移動し、勇ましいサビをいっそう華やかに引き立てる。1分過ぎには元の音域に戻り、再び熾烈な緊張感を漂わせる。曲名の「火蛾」とは夏の夜などに灯火に群がる虫を意味し、領土を巡って激しく争い合う両陣営の姿を想起させる。
2分前後のギターは作中でも流れますっけ。格好良いですよね。EUST側の『Urban Crusher』もあわせてお聴きください。