VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#608 『Shopmusic』(Machinae Supremacy/Jets'n'Guns/PC)

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Rake in Grassがおくる横スクロールシューティング・Jets'n'Gunsより、

Machinae Supremacy作曲、『Shopmusic』。メニュー兼ショップで流れます。

チェコのインディーデベロッパー・Rake in Grassが開発した本作。宇宙を丸ごと破壊せんと目論む悪の独裁者Xoxxを討つべく、プレイヤーは自機をパワーアップさせながら任務に赴くことになる。敵を倒して得られる資金を用いて、70種類以上の武器を自由自在にカスタマイズしていくライフ制のシューティングで、武器の選択と適切な資金繰りが攻略の肝となる。敵は全体的に硬く、当たり判定は大味であるため、シビアな難易度を誇るが、破壊の爽快感を重視した演出の数々や、蓋を開けたら割とカオスな世界観とが相まって、なかなかに豪快な仕上がりとなっている。後に拡張版のGOLDが登場した。

本作の音楽を担当するのはMachinae Supremacyスウェーデン出身のヘヴィメタルバンドで、自らの奏でる音楽ジャンルをもっぱらSIDメタル(コモドール64の音源であるSIDチップをフィーチャーしていることから)と定義している。本作でも彼らが得意とするところのチップチューンとハードロック・ヘヴィメタルを組み合わせた硬派なサウンドが揃っていて、シューティングらしいノリの良さを持つ情熱的な楽曲がステージ攻略を盛り上げてくれる。サウンドトラックは一部のサイトにて有料で販売されているほか、バンド公式のyoutubeチャンネルで公開されていたり、公式のtumblrで無料配布されていたりする。

ステージ間のインターミッションにて武器の売買やカスタマイズをおこなうメニュー兼ショップ画面にて流れるのがこの曲である。ここで一旦装備を整えてからステージに挑むことになるが、英気を養いつつ出撃する場面にあわせて、非常にクールなリフがプレイヤーの戦意を掻き立ててくれる。キャッチーな電子音とスマートなギターの轟音が紡ぐ変幻自在の旋律は、組み合わせ次第でいかようにも広がり得る戦術の幅を象徴するかのごとく、理知的でもあれば暴力的でもある複雑なヴァイブを漂わせている。曲名を字義通りに受け取ったとして、およそお店の音楽とは考えられないほどの格好良さにあふれている。

この曲以外にも、メインテーマである『Theme from Jets'n'Guns』もかなりクサくて好きです。最後のボイスはいつ聴いても不思議ですが。あわせてどうぞー。

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