セイブ開発がおくるシューティング・バイパーフェイズ1より、
佐藤豪作曲、『Forcing Breakthrough -Stage4-』。4面で流れます。
雷電シリーズなどで知られるセイブ開発製のアーケード作品として登場した本作。宇宙進出による星系の発展と対立が加速する時代を舞台に、他星系からの反乱軍によって窮地に立たされた地球防衛軍は、最後の希望を託して極秘作戦・VIPER PHASE 1を始動することになる。全8面構成の縦スクロールシューティングで、雷電譲りのシンプルな操作性と豪快な撃ち合いを軸に据えつつ、一癖ある挙動を取り入れて独自の歯応えを生み出している。8方向レバーにショットとボンバーの2ボタンあり、ショットは通常弾と特殊武器を同時に発射する仕組みである。稼働当初の旧バージョンでは特殊武器はゲージ制で使用制限が設けられていたほか、ボンバー発射から爆発まで意図的なラグがあり、敵の動きやタイミングを見極めてどう対処するかが攻略の肝となる。稼働後の調整を経て制限や一部バランスが見直されたが、いずれにせよ正統派でありながらテクニカルな立ち回りを求められる骨太なつくりが光る仕上がりとなっている。後にアーケードアーカイブスの一環としてスイッチやPS4に移植された。
本作の音楽を担当するのは佐藤豪氏。当時セイブ開発に所属していた作曲家で、雷電シリーズをはじめ同社の作品を多く手がけている。本作ではメタルやフュージョン系の非常にパワフルな楽曲が揃っていて、ノリに乗った清々しいシューティングサウンドをたっぷり堪能できる。特に本作はセイブ開発製ではSPIシステムと呼ばれる新型基板の参入作品であり、PCMとFM音源を多チャンネルで使えることで今まで以上に表現力が増している。サウンドトラックはスーパープレイ映像のDVD付きで、アーケード音源のほかにマスターデータ音源や各種アレンジ音源が収録されている。
4面で流れるのがこの曲である。前半ステージではしばらく宇宙を背景に戦っていたが、3面の途中から敵空母らしきものに接近し、4面は奥へ奥へと進んでいくことになる。4面のラストで離脱して5面から再び宇宙空間へ飛び立つため、全体のステージ数から鑑みてもここが一つの区切りと言える。そうしたなか、イントロの第一音から活き活きと勇ましく潔いメロディーを紡ぐことで一気呵成の勢いを感じさせる。「強行突破」を意味する曲名が示す通り、ぐんぐんと前のめりに突き進んでいく力強さがあり、7~8秒や20秒前後で甲高く鳴る高音が非常に気持ち良く耳に残る。25秒からは主旋律に加えて伴奏もこれまで以上にリズミカルな躍動感を帯びて目立つようになり、48~49秒の区切りで披露するフレーズには痛快な響きがある。続くメロディーは相変わらず強烈な迫力があり、曲のどこを取っても終始ハイテンションである。無尽蔵のエネルギーに満ちた一曲である。
聴いていると無敵になれる気がして好きです。サントラのリミックス音源はギターを中心に音の厚みや奥行きが強化された感じです。あわせてどうぞ。