日本一ソフトウェアがおくる史上最凶のシミュレーションRPG・ディスガイアより、
佐藤天平作曲、D2の『Dramatic Devil Story』。ラストバトルで流れます。
ディスガイアシリーズの10周年記念作として、ナンバリングともリメイクとも異なる立ち位置で登場した本作。初代の数年後を舞台に、晴れて新米魔王となったラハールは、魔界と天界をめぐる異変や反乱分子の台頭など、様々な事件に巻き込まれていく。個性派揃いのキャラクターたちが織り成すドタバタ劇は本作でも健在で、既存のシステムを簡略化しつつ、人型ユニットのみならずモンスターのキャラメイクや、好感度システムのアクマコネクト、探索や育成に役立つチート屋など、様々な新要素も搭載されている。シリーズの例に漏れず膨大な作業量を誇るボリューム満点な仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは佐藤天平氏。ディスガイアシリーズに毎度携わっているおなじみの作曲家である。本作でもシリーズ特有のなんでもありな世界観にあわせて、どこかケレン味のあるサウンドが多く収録されていて、やり込みと周回プレイを推奨するゲーム性に見合った独自のノリの良さを有する。サウンドトラックは初回限定版に同梱されているほか、オリジナル音源とは別に、一部の楽曲をピックアップした佐藤氏本人によるセルフアレンジサントラも市販されている。
最終話におけるラストバトル二連戦の後半で流れるのがこの曲である。やっとの思いで倒せたと思った矢先に、さらに著しく強化されて襲いかかってくるその無慈悲さを象徴するかのごとく、この曲は威圧感たっぷりのシンフォニックロックナンバーに仕上がっている。エッジの効いたギターにエレガントなストリングス、美しくも悲壮的なコーラスなどが重なり合って奏でられる旋律は、後には退けぬ、それでいて前に進むのも困難なシチュエーション(実際、ラスボスの魔ビリティーのせいで迂闊に近付くと能力を吸収されて強くなる)をよく表している。畳みかけるような重圧感と疾走感がただならぬ気迫を感じさせる一曲である。
ゲームのタイトルにあるD2は一応ディメンションツーということらしいですが、Dramatic DevilでD2、というのもかけているのでしょうかね。