VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1201 『Modern Girl 2010』(佐藤天平/プリニー2 ~特攻遊戯! 暁のパンツ大作戦ッス!!~ /PSP)

www.youtube.com

日本一ソフトウェアがおくる史上最凶のやみつきアクション・プリニーより、

佐藤天平作曲、2の『Modern Girl 2010』。ラスボス戦で流れます。

ディスガイアシリーズのザコキャラであるプリニーを主人公とするスピンオフの第2弾にあたる本作。今度のプリニーたちは、雇い主兼主人であるエトナ様のパンツが盗まれてしまったことを受け、翌朝までの奪還を目指して1000匹で出撃することになる。前作同様、1000の残機を使って初見殺しだらけのステージを攻略していく2D横スクロールアクションである。全体的な難易度は凶悪だが、新たにベビーイージーという3回まで被弾可能で足場が増設される救済要素的なモードが加わった。アクション面ではゲージを最大まで溜めることで、旋回しながら敵をぶん殴るプリニーサイクロンや、ゲージ全消費で猛進する特攻遊戯などの新技が追加された。また、道中の芋を拾い食いして放屁して空を飛んだり、屁のガスを敵に当てて気絶させたりできる。前作よろしく隠しシナリオのアサギ編も健在で、本編とは異なりゲームオーバーなし(被弾すると視聴率が下がり、0になると爆死する変則ライフ制だが、無限に復活できる)で銃器でガンガン攻めるゲーム性を楽しめる。相変わらず独特なノリと歯応えのある仕上がりとなっている。後に前作と合わせてスイッチに移植された。

本作の音楽を担当するのは佐藤天平氏。日本一ソフトウェア製の作品に多く携わっているフリーランスの作曲家である。本家のディスガイアシリーズでの作曲経験はもちろん、プリニーシリーズにおいても前作から続投して携わっている。シリーズの特徴とも言える、陽気なようで妖しいような、ユニークな艶のあるジャンル横断的なサウンドは本作でも受け継がれている。ボーカル曲や過去作からのアレンジ曲もいくつか含まれる。サウンドトラックは本作単体では未発売だが、作中にサウンドテストが搭載されているほか、スイッチ移植に際して北米版の限定盤に前作と本作の楽曲を厳選収録したものが存在する。

ラスボス戦で流れるのがこの曲である。前作の魔風草原で流れた『Modern Girl』のアレンジで、原曲のようにいきなりオーケストラヒットで始まるわけではなく、イントロの30秒弱はミステリアスな雰囲気に包まれている十分に緊張感が高まったところで、一気にオケヒとギターとパーカッションが一緒くたになって参戦し、アップテンポな曲調へと大変身する。続くAメロではシンセブラスが強烈にダンサブルな旋律を奏で、原曲以上にくどくて主張が激しい印象を与える。ただひたすらノリノリであるだけでなく、主旋律の裏で時折ストリングスの鋭い音色を響かせることで、刺激的なスリルをも感じさせる。1分25秒からは一旦抑えめになるが、徐々に鉄琴やクワイアを印象的に用いながら勢力を巻き返すと、1分40秒以降のサビではいっそう弾け飛びそうな勢いを披露する。決戦の機運を気持ち良く盛り上げる華麗な一曲である。

この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。原曲の時点でだいぶ派手でグルーヴィーですが、アレンジでさらにヴィヴィッドな印象が強まった感じでしょうかね。原曲もあわせてどうぞ。

www.youtube.com