日本一ソフトウェアがおくる史上最凶のやみつきアクション・プリニーより、
佐藤天平作曲、『魔海カジノ』。ステージ「魔界のアリア」で流れます。
ディスガイアシリーズのザコキャラであるプリニーを主人公とするスピンオフ作品として登場した本作。雇い主兼主人のエトナ様のスイーツが横取りされたことを受け、究極のスイーツを求めて1000匹のプリニーたちが決死の任務に出撃することになる。順不同で攻略可能な前半6ステージ+前半攻略後に出現する4ステージ、計10面の2D横スクロールアクションである。前半のステージは挑む順序によって難易度や内部の構造が異なる仕組みのため、実質6の2乗で36通りの変化がある。絵柄やノリは緩いが、史上最凶という謳い文句に違わず極悪な初見殺しと巧妙な敵配置が特徴で、文字通り1000の残機をガンガン消費して進めていく。狭い足場、落とし穴、障害物、執拗で容赦ない攻撃パターン、連打必須のアクションなど、否応なしに難易度を高めるギミックがてんこ盛りで、自機はジャンプ中の制御が利かなかったり反動に晒されやすかったりとお世辞にも高性能とは言いがたい。が、粘り強く挑戦してしっかりパターンを覚えれば突破口が見えてくる緻密なバランスを保っている。道中の収集品やさらに凶悪な難度を誇る隠しシナリオなど、やり込み要素も充実している。総じて歯応え抜群で挑戦的な仕上がりとなっている。後に2とセットでスイッチに移植された。
本作の音楽を担当するのは佐藤天平氏。フリーランスの作曲家で、ディスガイアシリーズをはじめ日本一ソフトウェア製の作品には頻繁に携わっている。本作の楽曲はどこか憎めないようなコミカルでメロディアスな雰囲気と、魔界らしい妖艶さや霊妙さ、そして死に覚えのモチベーションを促進するロックでファンキーでエネルギッシュな勢いがブレンドしている。クワイアやバイオリン、エレキギターなどを中心としてケレン味のあるサウンドを生み出している。サウンドトラックにはボーカル曲も含めて収録されているほか、作中のコレクション要素の一環として楽曲鑑賞できる音楽屋が設けられている。
ステージ「魔海のアリア」で流れるのがこの曲である。前半のステージ群の一つで、魔海の上空に浮かぶ空中賭博場を目指して進むことになる。序盤のうちに挑めば南国リゾートのような陸地も残るが、やがて水没して海だらけになってしまう。プリニーはペンギンのような姿だが、海に落ちれば呆気なく死ぬ。そうしたなか、この曲はラテンミュージック風の曲調でリゾートらしい眩しさと賭博場らしいスリルを表現している。快活なラッパを軸に絶え間なくピアノやカスタネットを鳴らしてリズミカルなムードを生み、22秒からはトロンボーンと思しき柔らかくも太い音色が加わって盛り上げる。37秒には弦楽器が押し寄せて流れを変えるが、49秒になるとまた管楽器が主導権を握って曲を力強く牽引していく。1分5秒からのサビには陽気さのなかに大人っぽい情緒がうまく溶け込んでいて、ループ間際の1分38秒には鮮やかなオーケストラヒットを披露してテンションを整える。うっかりどっぷり嵌まってしまいそうな危険な居心地の良さがある一曲である。
聴いていると心が躍りますね。