サクセスがおくる昆虫メカバトルシミュレーションRPG・昆虫ウォーズより、
桜庭統作曲、『同盟軍フェイズ・プレイヤーフェイズ終盤』（仮称）。
同盟軍フェイズと、終盤におけるプレイヤーフェイズで流れます。
サクセスによる完全新作として登場した本作。知恵と意志を持った昆虫たちの住む世界・ムシワールドに誘われた小学生のヤマトとツバサは、武装した昆虫メカ・ムシボーグを指揮して、平和を脅かさんとする悪の昆虫メカ軍団・ブラックフォースに立ち向かっていく。カブトムシやクワガタなどの昆虫をモチーフにしたユニットを率いて、クォータービュー形式のマップを攻略していくオーソドックスなシミュレーションRPGで、ユニットごとに地上型か飛行型かに分かれているほか、さらに格闘・射撃・砲撃のどの戦闘スタイルを得意とするか、細かく設定されている。カスタマイズによってユニットを強化したり、強力なスキルを発動できるカードを使用したりすることで、自分好みに戦略を練ることができる。総じて細部まで秀逸につくり込まれた硬派な仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは桜庭統氏。フリーランスの作曲家で、サクセス製の作品に携わるのはおそらく本作が初めてである。本作ではどことなく少年漫画然とした王道を征く作風にあわせて、ロックやオーケストラ調の情熱的なサウンドが揃っている。特に戦闘曲まわりが充実していて、自軍や敵軍はもちろん、援軍として駆けつける同盟軍フェイズにもいくつか曲があてがわれている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
序・中盤における同盟軍フェイズと、全26話中の第18話「変わり果てた世界」以降のプレイヤーフェイズで流れるのがこの曲である。同盟軍は必ずしも毎回参戦するわけではないため、聴く機会はある程度限られているが、満を持して終盤のプレイヤーフェイズでも流れることで、特に18話を境に敵の野望が成就して世界が様変わりしてしまった展開も相まって、非常に印象に残りやすい。いかにも戦闘曲らしい珠玉の昂揚感と疾走感に満ちた音使いが特徴で、最初から最後まで畳みかけるような勢いで奏でられるアップテンポなリズムを、悲愴感漂うストリングスの高音が鮮やかに彩る。危機的な状況を何としてでも乗り越えんとする壮絶な決意を滲ませた一曲である。
桜庭節の真骨頂みたいな曲ですね。出だしの部分で一瞬、バテンカイトス2の『The valedictory elegy』が頭によぎりますが、似たような曲調でもしっかり魅せてくれるところが素敵です。あと昆虫ウォーズ自体も面白くておすすめです。
