コナミがおくるアクション・ミスティックウォリアーズより、
竹ノ内裕麿呂こと竹ノ内裕治作曲、『THEME FOR MYSTIC WARRIORS』。
1面で流れます。
魂斗羅の系譜を辿るサンセットライダーズの後継作にあたる本作。巨大企業・SKULL率いる機甲忍者軍団による世界征服を阻止すべく、若き五忍衆が立ち向かうことになる。開始時に選択する5人の忍者のうち、プレイヤーが選ばなかった残りの4人のうちの1人が敵軍にさらわれ、救出と復讐のために全9面のステージを攻略していく。基本的なゲーム性はサンセットライダーズと同様、8方向レバーを用いたアクションシューティングで、新たに残機およびライフ制と接近時の近接攻撃を導入し、世界観は西部劇からジャパニーズ(アメリカンテイストの破天荒なエセ和風)へと変化している。コミカルな見た目に反して難易度は高く、奇妙な歯応えを誇る仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは竹ノ内裕麿呂氏、仲野順丸氏、井筒屋夢之介氏の三名。時代劇っぽさを出すためか変名義が用いられていて、前二者は当時コナミに所属していた竹ノ内裕治氏、仲野順也氏と特定できるが、井筒屋氏については正体が判然としていない。本作では和風テクノ系のサウンドが勢揃いしていることに加え、アイテム入手時など随所で片言の日本語ボイスが挿入されるなど、音楽・音声面の充実ぶりが大きな魅力である。サウンドトラックについては、同時期のコナミ製アーケードの楽曲を一挙に収録したコナミアミューズメントサウンズ'93夏に本作も含まれているほか、竹ノ内氏の個人アルバムに彼の担当分のアレンジが収録されている。
1面道中で流れるのがこの曲である。キャラクターセレクト後、さらわれた仲間の名前を叫ぶシーンから一転、夜の街を颯爽と駆けるスタイリッシュなニンジャアクションにあわせてリズミカルに曲が展開していく。イントロが明ける寸前の11秒あたりで機械音声のような電子音を挿入し、シャカシャカと小刻みに鳴る三味線の伴奏に、ところどころポンという鼓の音色が加わることで、独特なノリと味わい深さを生み出す。1分12秒で歌舞伎の掛け声を思わせる「ィヨーッ!」というボイスを入れることで、ますます本作独自の珍妙な和の世界観への没入感を高めてくれる。曲名が示す通り、本作のメインテーマにふさわしい一曲である。
竹ノ内さんのアルバムにあるアレンジは、ノリの良さは相変わらずですが、落ち着いたハウスっぽい雰囲気に仕上がっています。あわせてどうぞ。