マイクロキャビンがおくるシミュレーションRPG・リグロードサーガより、
瓜田幸治作曲、『オープニング』。オープニングデモで流れます。
サークシリーズなどで知られるマイクロキャビンのセガサターン向けシミュレーションRPGにあたる本作。平和を享受してきたリグロード大陸を舞台に、遥か東方から攻めてきた魔将軍ゲンユウサイによって国を追われたクイーンズランド女王国の王子は、やがて大陸を揺るがす戦いに身を投じることになる。当時としては先進的だった3Dポリゴンによるグラフィックが特徴で、地形の高低差や属性の有利不利といった要素に加え、技を使い込むことで新技をひらめくシステムが導入されている。ストーリーは王道なファンタジー調で難易度は緩め、全体的にこぢんまりとしたボリュームに仕上がっている。
本作の音楽を担当するのは瓜田幸治氏。当時マイクロキャビンに所属していた作曲家である。本作の発売と同年にマイクロキャビンを離れたため、本作は氏にとってマイクロキャビン在籍時の終期の担当作にあたる。本作ではオーソドックスな作風にあわせて、臨場感のあるオーケストラ調のエネルギッシュな楽曲が揃っている。サウンドトラックはボーナストラックの効果音集付きで収録されている。
オープニングのデモムービーで流れるのがこの曲である。全編3Dで描かれた映像を彩るにあたって、きめ細やかなハープと鐘の音による幻想的なイントロから始まり、開始早々に壮大さを印象付ける。マイクロキャビンの社名が表示される14秒あたりから笛の主旋律が入ると、次いで管弦楽器の分厚い音色が加わり、相変わらず繊細に響き渡るハープの伴奏ともども美しい盛り上がりを見せる。45秒あたりで一旦勢いが沈静化するも、静けさのなかにあってじりじりと力を蓄えていき、1分10秒で剣を振り回す映像に見合った躍動的なサビを披露する。冒頭で見覚えのある夕焼けの山岳が再び映されると、神秘的な余韻を残しながら曲と映像が締め括られる。期待感を刺激するような瑞々しさに満ちた一曲である。
ハープの使い方がすごく好きです。特に間奏部分、48秒頃などでピアノと重なるところがとても素敵ですね。